Wordのリボンとクイックアクセスツールバーをカスタマイズする|タブ追加・コマンド登録・設定のエクスポートの実務手順とMOS Word試験対策

「同じ操作を毎回リボンのタブをたどって探している」「よく使うコマンドをすぐ呼び出せたら作業が速くなるのに」——こうした悩みを解決するのが、Wordのクイックアクセスツールバー(QAT)とリボンのカスタマイズ機能です。一度設定しておけば、次回以降のWordセッションでも設定が保持され、繰り返し作業を大幅に短縮できます。

本記事では、QATへのコマンド追加から、リボンへの新規タブ・グループ作成、設定のエクスポート・インポートまで、実務で即使える手順を体系的に解説します。MOS Word 365 エキスパート(MO-100)の試験範囲にも含まれる操作ですので、試験対策と実務スキルの両立を目指せます。


Wordのリボンとクイックアクセスツールバーをカスタマイズする|タブ追加・コマンド登録・設定のエクスポートの実務手順とMOS Word試験対策 - 解説
目次

QATとリボンの違いと使い分け

まず、QATとリボンの役割の違いを整理しておきます。

機能位置特徴適した用途
クイックアクセスツールバー(QAT)タイトルバーの左端(標準)またはリボンの下常に表示される小型ボタン群。どのタブを開いていても常に同じ場所にある使用頻度が特に高い5~10個のコマンド
リボンのカスタマイズタブとグループで構成されるリボンエリア関連コマンドをまとめたグループを独自のタブに配置できる。表示領域が広い用途別に複数のコマンドをまとめたい場合

一般的な運用としては、「毎日数十回使うコマンド(上書き保存・元に戻す・印刷プレビューなど)」はQAT、「特定の作業時にまとめて使うコマンド群(社内書式設定用など)」はリボンの独自タブに配置するのが効率的です。

クイックアクセスツールバー(QAT)にコマンドを追加する3つの方法

方法1:リボン上のコマンドを右クリックして追加

最も手軽な方法です。追加したいコマンドをリボン上で右クリックし、「クイックアクセスツールバーに追加(A)」を選びます。この操作は、リボン上に表示されているコマンドであれば、ほぼすべてに対して有効です。

  1. 追加したいコマンドボタンをリボン上で見つける(例:「レイアウト」タブ→「ハイフネーション」)
  2. コマンドボタンを右クリックする
  3. 「クイックアクセスツールバーに追加(A)」をクリックする
  4. QATにボタンが追加されたことを確認する

方法2:QATの「▼(その他のコマンド)」から追加

QATの右端にある小さな「▼」ボタンをクリックすると、よく使うコマンドのリストが表示されます。チェックを付けるとQATに追加、外すと削除されます。さらに「その他のコマンド(M)」を選ぶと、後述のWordオプション画面が開き、より多くのコマンドを選べます。

方法3:Wordオプションから詳細設定

すべてのWordコマンドに対して細かく設定できる方法です。

  1. 「ファイル」タブ→「オプション」をクリックして「Wordのオプション」ダイアログを開く
  2. 左ペインで「クイックアクセスツールバー」を選択する
  3. 「コマンドの選択(C):」ドロップダウンからカテゴリを選ぶ(例:「すべてのコマンド」「ファイルタブ」など)
  4. 左側のコマンド一覧から追加したいコマンドを選択し、「追加(A)→」ボタンをクリックする
  5. 右側のQATリストにコマンドが追加されたことを確認し、「OK」をクリックする

Wordオプション画面では、「カスタマイズの対象(U):」ドロップダウンで「すべてのドキュメントに適用(既定)」または特定のファイルを選択できます。特定のファイルに限定する場合、そのファイルを開いている間だけQATのカスタマイズが有効になります。

QATのボタンを並べ替え・削除する

追加したボタンの順序や不要なボタンの削除も、Wordオプション画面から行います。

  • 順序の変更:Wordオプション→クイックアクセスツールバーで、右側リストのコマンドを選択し、右端の「▲」「▼」ボタンで上下に移動する
  • 削除:右側リストでコマンドを選択し、「← 削除(R)」ボタンをクリックする。またはQAT上のボタンを右クリック→「クイックアクセスツールバーから削除(R)」でも可能
  • 区切り線の挿入:コマンドの間に視覚的な区切りを入れたい場合は、「コマンドの選択」リストの最上部にある「<区切り線>」を追加する

QATの位置をリボンの下に移動する

標準ではQATはタイトルバーの左端(リボンの上)に表示されますが、リボンのすぐ下に移動させることもできます。ボタン数が多い場合や、文書エリアに近い位置でアクセスしたい場合に便利です。

  1. QATの右端にある「▼」ボタンをクリックする
  2. 「リボンの下に表示(S)」をクリックする
  3. QATがリボンのすぐ下に移動する

元の位置(リボンの上)に戻すには、同様に「▼」→「リボンの上に表示(S)」を選択します。

リボンのカスタマイズ:新規タブとグループを作成する

リボンにオリジナルのタブを追加することで、業務やプロジェクト別に関連コマンドをまとめられます。設定手順を解説します。

Wordオプションのリボンのユーザー設定画面を開く

  1. 「ファイル」タブ→「オプション」をクリックする
  2. 「Wordのオプション」ダイアログの左ペインで「リボンのユーザー設定」をクリックする

画面は左右2ペイン構成です。左側が「コマンドの選択」エリア、右側が「リボンのユーザー設定」エリア(現在のリボン構成の一覧)です。

新規タブを作成する

  1. 右側ペインの下部にある「新しいタブ(W)」ボタンをクリックする
  2. 「新しいタブ(ユーザー設定)」とその下に「新しいグループ(ユーザー設定)」が追加される
  3. 「新しいタブ(ユーザー設定)」を選択した状態で「名前の変更(M)」ボタンをクリックし、タブ名を入力する(例:「社内書式」)
  4. 「OK」で名前変更を確定する

グループを追加・名前変更する

タブの中のコマンドは「グループ」に分類して整理します。新しいタブには最初から1つの空グループが用意されています。追加でグループを作成する場合は次の手順を行います。

  1. 右側ペインで新しいグループを追加したいタブ名を選択する
  2. 「新しいグループ(G)」ボタンをクリックする
  3. 追加されたグループを選択し、「名前の変更(M)」をクリックしてグループ名とアイコンを設定する

グループのアイコンは一覧から選択できます(表示上の識別用で、リボン上の省略表示時に使われます)。

グループにコマンドを追加する

  1. 右側ペインでコマンドを追加したいグループ名を選択する
  2. 左側ペインの「コマンドの選択(C):」でカテゴリを選択し、コマンドを探す(「すべてのコマンド」を選ぶとWordの全コマンドが表示される)
  3. 追加したいコマンドを左ペインで選択し、「追加(A)→」ボタンをクリックする
  4. グループ内に表示されたコマンドを確認し、必要に応じて「▲」「▼」で順序を整える

(想定例)社内書類作成チームでの活用イメージ:「社内書式」タブに「フォント指定」「余白設定」「ページ番号の挿入」「目次の更新」などをまとめると、毎回タブを探す手間がなくなります。

タブ・グループの順序を変更する

右側ペインでタブまたはグループを選択し、右端の「▲」「▼」ボタンで表示順序を変更できます。カスタムタブを先頭近くに配置すると、毎日の作業でアクセスしやすくなります。

標準タブのコマンドをカスタムグループに複製する

既存の標準タブにあるコマンドをカスタムタブにも追加できます。標準タブのコマンドを削除・移動することはできませんが、カスタムグループへのコピー追加は可能です。これにより、よく使う操作を1つのタブに集約できます。

既存の標準タブを非表示にする

使わない標準タブを非表示にすることで、リボンをすっきりさせられます。

  1. 「リボンのユーザー設定」画面の右ペインで、非表示にしたいタブ名の左側にあるチェックボックスをオフにする
  2. 「OK」をクリックして適用する

チェックをオフにしてもタブが削除されるわけではなく、再度チェックを付けると元に戻ります。なお、標準タブのチェックをオフにしてもコマンドはQATやカスタムタブから引き続き使用できます。

カスタマイズ設定のエクスポートとインポート

QATとリボンの設定は、ファイルとしてエクスポートして他のPCにインポートできます。同じ設定を複数台のPCや複数のユーザーで共有したいときに便利です。

エクスポートの手順

  1. 「Wordのオプション」→「リボンのユーザー設定」画面を開く
  2. 画面下部の「インポート/エクスポート(P)▼」をクリックする
  3. 「すべてのユーザー設定をエクスポート(E)」を選択する
  4. ファイルの保存場所を指定し、ファイル名を付けて「保存(S)」をクリックする

保存されるファイルの拡張子は .exportedUI です。このファイルにはQATとリボンの両方の設定が含まれます。

インポートの手順

  1. 「リボンのユーザー設定」画面の「インポート/エクスポート(P)▼」をクリックする
  2. 「カスタマイズファイルのインポート(I)」を選択する
  3. 保存されている .exportedUI ファイルを選択し、「開く(O)」をクリックする
  4. 「現在のリボンとクイックアクセスツールバーのカスタマイズをすべて、インポートしたファイルの設定で置き換えますか?」という確認メッセージが表示されるので「はい」をクリックする

インポートを実行すると既存のカスタマイズは上書きされます。インポート前に現在の設定をエクスポートしてバックアップしておくことを推奨します。

カスタマイズをリセットする

設定を初期状態に戻したい場合は、次の手順でリセットします。

  1. 「リボンのユーザー設定」または「クイックアクセスツールバー」画面を開く
  2. 画面下部の「リセット(E)▼」をクリックする
  3. 「選択したリボンタブのみリセット(R)」または「リボンとクイックアクセスツールバーをすべてリセット(A)」を選択する
  4. 確認ダイアログで「はい」をクリックする

「リボンとクイックアクセスツールバーをすべてリセット」を選ぶと、QATとリボンのカスタマイズがすべてクリアされWord標準の状態に戻ります。

MOS Word 365試験対策チェックリスト

リボンとQATのカスタマイズは、MOS Word 365 エキスパート(MO-100)の「ドキュメントのオプションと設定の管理」に含まれます。出題範囲に含まれますが、分野別の出題数・配点は公表されていません。以下の操作を実際に手を動かして確認しておきましょう。

操作確認方法チェック
リボン上のコマンドをQATに追加する(右クリック)右クリック→「クイックアクセスツールバーに追加」が表示され、実行後QATにボタンが増える□
QATのコマンドを削除するQATのボタン右クリック→「クイックアクセスツールバーから削除」を実行し消える□
Wordオプションでコマンドを追加・並べ替えするファイル→オプション→クイックアクセスツールバーで操作できる□
QATをリボンの下に移動するQATの▼→「リボンの下に表示」を実行し位置が変わる□
新規タブ・グループを作成しコマンドを追加するファイル→オプション→リボンのユーザー設定で新しいタブ・グループが作れる□
カスタマイズをエクスポート・インポートする.exportedUIファイルが生成され、別のWordにインポートできる□
リボンをリセットするリセット実行後にカスタムタブが消え標準状態に戻る□

よくあるつまずきと対処法

Q: 追加したコマンドがリボンに表示されない

A: グループではなくタブを選択したままコマンドを追加しようとすると、「追加(A)→」ボタンがグレーアウトしていることがあります。必ずグループ名を選択してから「追加」をクリックしてください。コマンドを追加できるのはグループのみで、タブ直下には追加できません。

Q: 標準タブ(「ホーム」など)のグループにコマンドを追加できない

A: 標準タブに含まれる既存グループは編集できません。標準タブ内に独自コマンドを追加したい場合は、そのタブ内に「新しいグループ」を作成してからコマンドを追加してください。なお、「(ユーザー設定)」と表示されているグループのみ編集・削除が可能です。

Q: エクスポートしたファイルを別のOfficeバージョンで読み込めない

A: .exportedUI ファイルはOfficeのバージョン・言語間での互換性が保証されていません。一般的には同じバージョン・言語のOffice間でのみ使用することを推奨します。

Q: カスタマイズしたリボンが他のPCで反映されない

A: カスタマイズはローカルのユーザープロファイルに保存されます。OneDriveで同期されるファイルとは別の場所に保存されるため、自動では他のPCに同期されません。エクスポートしたファイルを手動でインポートする必要があります。

Q: リボンのカスタマイズをリセットしたらQATも消えてしまった

A: 「リボンとクイックアクセスツールバーをすべてリセット」を実行した場合、QATのカスタマイズも初期化されます。大切なカスタマイズは事前にエクスポートしてバックアップしておく習慣を付けましょう。


Wordのリボンとクイックアクセスツールバーをカスタマイズする|タブ追加・コマンド登録・設定のエクスポートの実務手順とMOS Word試験対策 - まとめ

まとめ

Wordのクイックアクセスツールバーとリボンのカスタマイズを適切に設定することで、繰り返しの操作を大幅に短縮できます。要点を整理します。

  • QATは右クリックまたはWordオプションから手軽にコマンドを追加・並べ替えできる
  • リボンのカスタマイズでは新規タブ・グループを作成してコマンドをまとめられる
  • カスタムタブ内のグループにしかコマンドは追加できない(タブ直下には不可)
  • エクスポート(.exportedUI)で設定を保存しておくと、PC移行や初期化後も設定を復元できる
  • MOS Word 365 エキスパート(MO-100)の試験範囲に含まれる操作なので、実際に手を動かして操作を体験しておくことが合格への近道

設定が完了したら、実際の業務文書を開いてカスタムボタンの動作を確認してみてください。一度整えれば毎日の作業効率が上がり、MOS試験当日も余裕を持って操作できます。

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▶ MOS Word 365 学習ロードマップ(当サイトの関連記事)も参考にしてください。

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