“Excelは残る”56.6%|MOS Excel学習者が押さえる”残る業務”の実装パターン

2026年5月26日、ITmediaキーマンズネットが「『SaaSを入れてもExcelは残る』 オロ調査が示す“二重入力”の実態とは」という記事を配信しました。オロが全国の事務系会社員433人を対象に実施した調査によると、回答者の56.6%が職場で何らかの二重入力を経験しており、その内訳は「少しずつ」13.6%・「かなり」43.0%。SaaSを導入してもExcelが残り続ける構造的な理由として、「既存システムとの連携がない」23.7%、「管理方法が異なる」18.0%、「SaaS導入するがExcelを併用」15.9%、「業務プロセスが対応できない」15.5%が挙げられています。

この調査結果は、MOS Excel学習者・受験者にとっては明確な追い風です。「Excelは古い」「いずれ滅びる」という議論がある一方で、現実の業務はSaaS時代でもExcelを併用し続けています。本記事では、56.6%の二重入力が発生している業務領域と、MOS Excel 365(一般)試験範囲で押さえるべき「残る業務」の実装パターンを整理します。MOS Excel受験者・実務でExcelとSaaSを併用している方ほど、最後まで読み進めてください。


目次

オロ調査が示す二重入力56.6%の全体像

まず、オロ調査から確認できる事実を整理します。

項目 内容
調査対象 全国の事務系会社員 433名
調査期間 2026年3月18日〜3月25日
調査方法 インターネット調査
二重入力経験率 56.6%(「少しずつ」13.6%+「かなり」43.0%)
残る業務(複数回答1位) 出張費 32.7%
残る業務(複数回答2位) 採用・給与 28.2%
残る業務(複数回答3位) 予算・経費管理 26.1%
残る業務(複数回答4位) 食費・プロジェクト管理 23.2%
Excel残存の理由1位 既存システムとの連携がない 23.7%
Excel残存の理由2位 管理方法が異なる 18.0%
Excel残存の理由3位 SaaS導入するがExcelを併用 15.9%
Excel残存の理由4位 業務プロセスが対応できない 15.5%

注目すべきは、二重入力の半分以上は「Excel→SaaS」または「SaaS→Excel」の転記作業だという点です。SaaSベンダーが「もう紙もExcelもいらない」と謳っていても、現場ではSaaS標準フォーマットに合わない情報がExcelに残り、結果として両方を更新する手間が発生しています。この実態は、Excel操作スキルの価値が今後も維持されることを意味します。

MOS Excel 365(一般)出題範囲は何を問うのか

MOS Excel 365(一般)の出題範囲は、MOS公式(odyssey-com.co.jp)で5つの大分類に整理されています。

分類 主な出題項目
1. ワークシートやブックの管理 ブックへのデータインポート、ブック内の移動、ワークシート書式のカスタマイズ、オプション設定、共同作業と配付準備
2. セルやセル範囲のデータの管理 シートデータの操作、セル書式設定、名前付き範囲の定義・参照、データの視覚的整理
3. テーブルやテーブルのデータの管理 テーブル作成と書式設定、テーブル編集、テーブルデータのフィルター・並べ替え
4. 数式や関数を使用した演算の実行 参照の追加、データ計算・加工、文字列操作と書式設定
5. グラフの管理 グラフ作成、グラフ編集、グラフ書式設定

試験は50分の実技試験です。受験料は一般12,980円・学割9,680円。SaaS時代でも実務に残る「データインポート」「セル範囲操作」「テーブル管理」「関数」「グラフ」が出題範囲の中核を占めており、二重入力業務で求められる実装スキルとほぼ重なります。

SaaS時代に残る業務×MOS Excel試験範囲の対応

オロ調査の「残る業務」とMOS Excel出題範囲を突き合わせると、学習価値の高い領域が見えてきます。

残る業務 典型的なExcel作業 MOS試験範囲との対応
出張費 32.7% SaaS出力CSVをExcelで集計、宿泊・交通・日当を分類 1. データインポート、3. テーブル機能、4. 関数(SUMIFS)
採用・給与 28.2% 給与計算SaaSのデータをExcelで突合、控除・支給を再集計 1. データインポート、2. セル書式、4. 関数(VLOOKUP・XLOOKUP)
予算・経費管理 26.1% 会計SaaSと予算管理Excelを月次で照合、差異を抽出 1. データインポート、4. 関数(SUMIFS・IFERROR)、5. グラフ
食費・プロジェクト管理 23.2% プロジェクトSaaSの工数データをExcelで集計、月次レポート化 3. テーブル機能、4. 関数(ピボット関連)、5. グラフ

4業務すべてで、MOS Excel出題範囲の「1. データインポート」「3. テーブル機能」「4. 関数」「5. グラフ」が直接活用されます。つまり、MOS Excel合格レベルの操作スキルがあれば、SaaSとExcelの二重入力作業を「自動化に近い形」へ持ち込めます。MOS取得は試験合格そのものより、この「業務改善の地図を手に入れる」価値が大きいです。

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MOS Excel学習者が押さえる「残る業務」の実装パターン5選

二重入力業務をExcelで効率化する実装パターンを、MOS Excel出題範囲と紐づけて5つ整理しました。いずれもMOS試験対策の演習素材としても直結します。

パターン1: SaaS出力CSVのインポート+テーブル化

SaaSの多くはCSV/Excel形式でデータをエクスポートできます。Excel側で「データ」タブ→「テキスト/CSVから」を使ってインポートし、テーブルに変換することで、列の追加・削除に応じた数式の自動展開が可能になります。MOS試験範囲「1. ブックにデータをインポートする」「3. テーブル作成と書式設定」の中核です。

典型例: 経費精算SaaSから出力した月次CSVをExcelにインポート→テーブル化→部署列でフィルター→部署別合計を集計。手作業の転記がゼロになります。

パターン2: SUMIFSで条件付き集計を1セルに集約

SaaSデータをExcelで再集計するとき、「部署×月×項目」のような多軸条件で合計を出す場面が頻発します。SUMIFSなら数式1本で完結します。

=SUMIFS(金額列, 部署列, “営業部”, 月列, “2026/04”, 項目列, “出張費”)

MOS Excel出題範囲「4. 数式や関数を使用した演算の実行」の代表関数。SaaS導入後も「SaaSにない切り口で集計したい」要件は必ず残るため、SUMIFSが業務の最後の砦になります。

パターン3: VLOOKUP・XLOOKUPでマスタ照合の二重入力を消す

「社員番号→社員名」「商品コード→商品名」のマスタ照合は、SaaSとExcelの両方で名前を保持する典型的な二重入力源です。VLOOKUPまたはXLOOKUPでマスタシートから自動引き当てすれば、片方の更新だけで済みます。

=XLOOKUP(社員番号, マスタ!A:A, マスタ!B:B, “該当なし”)

2026年現在は左右両方向検索・エラー時代替値指定ができるXLOOKUPが主流です。MOS Excel Expert範囲ですが、一般レベルでもVLOOKUPは出題されるため、両方の操作経路を覚えておく価値があります。

パターン4: ピボットテーブルで多軸クロス集計

SaaSの標準レポートは固定軸が多く、「部署×プロジェクト×月」のような3軸以上のクロス集計には対応していないことが多いです。Excelのピボットテーブルなら、データ範囲を選んで「挿入」→「ピボットテーブル」で起動し、行・列・値・フィルターの4エリアにドラッグするだけでクロス集計が完成します。

ピボットテーブルの強みは「元データが更新されても更新ボタン1つで集計結果が追従する」点です。SaaSから出力するCSVを毎月差し替えるだけで、ダッシュボードが自動更新される仕組みが作れます。MOS Excel Expert範囲ですが、一般レベルでも「テーブル」項目で基礎が問われます。

パターン5: 名前付き範囲+IFERRORでエラー耐性のある集計表

SaaSデータには想定外の空白セル・エラー値が混入することがあります。IFERROR関数で「エラー時は0や空文字を返す」よう包むと、レポートが崩れません。さらに、よく使う範囲に名前を付けると数式が読みやすくなります。

=IFERROR(VLOOKUP(A2, 社員マスタ, 2, FALSE), “未登録”)

MOS Excel出題範囲「2. 名前付き範囲の定義・参照」「4. 文字列操作と書式設定」「4. 参照の追加」に対応します。二重入力を解消する自動化レポートの安定運用に直結する技術です。

SaaS時代でもExcelが残る理由とMOS Excelの位置づけ

オロ調査が示すExcel残存の上位4理由を、MOS Excel学習価値の観点から整理しました。

Excel残存の理由 割合 MOS Excel学習者の活躍場面
既存システムとの連携がない 23.7% SaaS出力CSVをExcelで受け取り、SUMIFS・XLOOKUPで自前連携を構築
管理方法が異なる 18.0% SaaSの固定軸では対応できない切り口を、ピボットテーブルで自由集計
SaaS導入するがExcelを併用 15.9% SaaS入力+Excel集計の役割分担を明確化、テーブル化で自動更新
業務プロセスが対応できない 15.5% SaaSの想定外プロセスをExcelテンプレで補完、関数で自動計算

合計で73.1%の理由が「SaaSとExcelの間に存在するギャップ」に集中しています。このギャップを埋めるのは、SaaS導入コンサルでも生成AIでもなく、Excelで両者を橋渡しできる人材です。MOS Excel合格レベルのスキルは、SaaS時代に「橋渡し人材」として価値が上がる方向に進んでいます。

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MOS Excel学習で二重入力を解消する3ステップ

MOS Excel学習者が、調査結果が示す56.6%の二重入力を自分の業務で解消するための3ステップを整理しました。

ステップ やること 使うMOS試験範囲
1. 棚卸し 自分の業務で「SaaSとExcelに同じデータを入れている」作業を3つ書き出す 試験範囲外(業務分析)
2. インポート設計 SaaS側からCSV/Excel形式でエクスポート→Excel側でテーブル化 1. データインポート、3. テーブル作成
3. 自動集計設計 SUMIFS・XLOOKUP・ピボットテーブルで集計を自動化、IFERRORでエラー耐性を付与 4. 数式や関数を使用した演算の実行

この3ステップは、MOS Excel試験範囲の核心部分をそのままトレースしています。試験対策で覚えた操作を、棚卸しした業務に1つずつ適用するだけで、二重入力が確実に減ります。学習と実務改善が並走する設計です。

FAQ:Excel二重入力とMOS Excel試験について

Q1. SaaSが普及してもMOS Excelを取る価値はありますか?

あります。オロ調査では事務系会社員の56.6%が二重入力を経験しており、その多くがSaaSとExcelの併用業務です。MOS Excel合格レベルのスキルは、SaaSとExcelの間にあるギャップを埋める「橋渡し人材」として今後も需要があります。むしろSaaS時代こそ、Excelで多軸集計・データ突合ができる人材の価値が高まっています。

Q2. オロ調査の56.6%はどのくらい信頼できる数字ですか?

調査対象は全国の事務系会社員433名、調査期間は2026年3月18日〜3月25日のインターネット調査です。サンプル数としては事務職の傾向を捉えるには十分な規模で、ITmediaキーマンズネットが2026年5月26日に詳報を配信しています。完全な統計的代表性ではないものの、SaaS時代の二重入力実態を示すデータとして実務的に有用です。

Q3. MOS Excel一般とExpertはどちらを先に取るべきですか?

一般(Associate)から先に取るのが定番です。一般範囲でSUMIF・VLOOKUP・基本テーブル・基本グラフを押さえてから、Expertで配列数式・XLOOKUP・複雑なピボットテーブル・マクロまで広げると効率的です。二重入力解消には一般レベルでも7割は対応できます。

Q4. SaaSのデータをExcelで再集計するとき、どの関数から覚えるべきですか?

優先順位は SUMIFS → VLOOKUP/XLOOKUP → ピボットテーブル → IFERROR です。SUMIFSは条件付き集計の中核で、VLOOKUP/XLOOKUPはマスタ照合、ピボットテーブルは多軸クロス集計、IFERRORはエラー耐性を担保します。この4つでオロ調査の上位業務の8割はカバーできます。

Q5. SaaSベンダーが「Excelは不要になる」と言うのは本当ですか?

部分的には本当ですが、全面的に正しいとは言えません。SaaSは標準フォーマット内の業務は強力に効率化しますが、業務プロセスがSaaSに対応できない15.5%、管理方法が異なる18.0%といった領域では、Excelによる補完が必須です。オロ調査の数字は、Excelが「滅びる」のではなく「役割が変わる」ことを示しています。

Q6. ピボットテーブルとSUMIFSの使い分けは?

用途で使い分けます。ピボットテーブルは「対話的にクロス集計したい」「集計軸を頻繁に切り替えたい」場合に強力です。SUMIFSは「決まった軸で固定的に集計したい」「ダッシュボード形式で常時表示したい」場合に向きます。両方を組み合わせ、データ探索はピボット、レポート出力はSUMIFSで固める運用が定番です。

Q7. SaaSデータをExcelに取り込むときの注意点は?

3点あります。1つ目はエンコーディング(UTF-8/Shift_JISの違いで文字化けが起きる)、2つ目は日付形式(SaaSの日付列がテキストとして取り込まれることがある)、3つ目はゼロパディング(社員番号・郵便番号の先頭ゼロが消えることがある)。Excel側で「データ」タブ→「テキスト/CSVから」を使い、列ごとにデータ型を明示すると安全です。MOS Excel出題範囲「1. ブックにデータをインポートする」項目で問われる実技です。

Q8. 二重入力を完全にゼロにするのは可能ですか?

完全ゼロは現実的ではありません。SaaSとExcelのギャップは構造的に発生するため、「自動連携でき
る部分」「Excelで補完する部分」「手入力が残る部分」を明確に区分し、各領域に最適な実装を選ぶのが現実解です。MOS Excel合格レベルのスキルは「Excelで補完する部分」を確実に効率化することで、二重入力の体感負荷を半分以下にできます。


まとめ:56.6%の二重入力はMOS Excelの追い風

オロ調査が示す事務系会社員の二重入力56.6%は、SaaS時代でもExcelが業務の中心に残り続けることを示すデータです。出張費・採用給与・予算経費・プロジェクト管理という残る業務領域は、MOS Excel 365(一般)試験範囲のデータインポート・テーブル・関数・グラフと直結しています。
SaaS出力をExcelで受け取り、SUMIFS・XLOOKUP・ピボットで再集計する実装パターンを身につける
MOS Excel出題範囲を業務改善の地図として使い、学習と実務を並走させる
SaaSとExcelの橋渡し人材として、二重入力73.1%のギャップを埋める価値を発揮する
この3点を意識した学習設計が、SaaS時代のMOS Excel合格と実務スキルの両立につながります。

excel-mous(エクセル・モス)では、Excel・Word・Access・PowerPointの操作とMOS試験対策を、SaaS併用時代の実務に焦点を当てて継続的に解説しています。SUMIFS・VLOOKUP・XLOOKUP・条件付き書式の詳細記事も公開済みなので、本記事と合わせてご活用ください。

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出典: ITmediaキーマンズネット「『SaaSを入れてもExcelは残る』 オロ調査が示す“二重入力”の実態とは」(2026年5月26日配信)、オロ「業務上の二重入力に関する調査」(2026年3月18〜25日実施、対象433名)、MOS公式サイト(odyssey-com.co.jp)Excel 365出題範囲ページ

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