文書比較機能でWordの変更差分を一覧表示する|2文書の対比・承認ワークフロー効率化とMOS試験対策

「修正依頼を出したら、どこを変えたのか分からない版が返ってきた」「契約書の前バージョンと今のバージョン、どこが違うのかページをめくって探している」——こんな作業を毎回目視で行っているなら、Wordの文書比較機能を使うだけで大幅に時短できます。2つのファイルを選ぶだけで変更箇所を自動検出し、変更履歴形式で一覧表示してくれる機能です。

本記事では、文書比較の基本手順から比較結果の確認・承認操作、実務5パターン、MOS Word試験の頻出ポイントまで体系的に解説します。OneDriveがなくても使えるオフライン比較の手順も含めて網羅しているので、テレワーク中のファイルのやり取りにも即応用できます。

目次

Word文書比較機能の基本概念

文書比較とは、「元の文書」と「変更後の文書」を2つ選び、差分を自動検出してまとめた「統合文書」を生成する機能です。変更箇所は変更履歴(追跡)と同じ形式——追加テキストに下線、削除テキストに取り消し線——で表示されるため、確認・承認作業を効率よく進められます。

「文書比較」と「変更履歴の記録」の違い

機能使いどころ特徴
変更履歴の記録(追跡)編集前に「校閲」→「変更履歴の記録」をオンにして作業リアルタイムで変更内容を記録。記録漏れがない
文書比較変更履歴を記録せずに編集されたファイルを事後比較完成した2ファイルを事後的に比較。記録なしでもOK

相手が変更履歴をオンにしないまま編集してきた場合は「文書比較」を使う、という使い分けを覚えておくと実務でとても役立ちます。

比較の結果として作成される「統合文書」

文書比較を実行すると、Wordは新しい統合文書を別ウィンドウで開きます。元の2文書は変更されません。統合文書には以下が表示されます。

  • 変更前の内容(取り消し線付き赤文字で削除されたテキスト)
  • 変更後の内容(下線付きで挿入されたテキスト)
  • 書式変更(フォント・太字・サイズ変更など)のコメント
  • 左余白に変更行を示すバー

文書比較の基本手順

手順1:「校閲」タブから「比較」を開く

  1. Wordを起動し、いずれかの文書(または新規文書)を開いた状態にする
  2. リボンの「校閲」タブをクリック
  3. 「比較」グループにある「比較」ボタンをクリック
  4. ドロップダウンから「比較(C)…」を選択(「結合」ではない点に注意)

手順2:「文書の比較」ダイアログで2文書を指定する

「文書の比較」ダイアログが開きます。

  1. 「元の文書」欄で古いほう(原本・送付前)のファイルを選択
  2. 「変更後の文書」欄で新しいほう(修正版・返送後)のファイルを選択
  3. 「変更のラベル」欄(デフォルトは比較者のユーザー名)を確認・修正
  4. 「詳細設定」をクリックすると比較する要素(書式・表・箇条書きなど)をチェックボックスで選べる
  5. 「OK」ボタンをクリック

ファイル選択の際は「最近使用したドキュメント」からも選べますが、確実にパスを確認するためフォルダアイコンで直接参照することを推奨します。

手順3:統合文書で変更差分を確認する

「OK」をクリックすると、4ペイン表示の統合文書が開きます。

ペイン内容
中央(メインペイン)変更が重ね合わされた統合文書
左側(変更履歴ウィンドウ)変更箇所の一覧リスト(挿入・削除・書式変更)
右上(元の文書)比較前の原本(変更なし)
右下(変更後の文書)修正版(変更なし)

4ペインが煩雑に感じる場合は、「校閲」→「比較」→「元の文書を表示」または「変更後の文書を表示」をクリックして横ペインの表示・非表示を切り替えられます。

比較結果の見かたと表示設定

変更の種類と色分けルール

統合文書に表示される差分は、変更履歴と同じ視覚ルールに従います。

変更の種類表示形式意味
テキスト追加下線付き文字(赤)変更後の文書で追加された文字列
テキスト削除取り消し線付き文字(赤)元の文書から削除された文字列
書式変更左余白バー+変更履歴コメントフォント・太字・色などの書式差分
移動二重下線(緑)文章ブロックが別の位置に移動

比較者が複数いる場合(3名以上のバージョンを順次比較した場合など)は、変更者ごとに色が自動的に割り当てられ、誰がいつ変更したかを区別して確認できます。

変更箇所をナビゲートする

変更箇所が多い文書で1箇所ずつ確認するには、左側の変更履歴ウィンドウを活用します。

  • 変更履歴ウィンドウの各行をクリック → 対応する箇所にカーソルが飛ぶ
  • 「校閲」タブ→「変更箇所」グループの「↓次へ」「↑前へ」でページ送り
  • Ctrl+Shift+E で変更履歴の記録のオン/オフを素早く切り替え

書式変更のみを非表示にする

文字の太字・フォントサイズの微調整など書式だけの変更が多い場合は、「校閲」→「変更内容の表示」→「書式設定」のチェックを外すと本文テキストの差分だけに絞り込めます。

実務で役立つ文書比較5パターン

パターン1:上司に提出した原稿と返ってきた修正版の差分確認

メールにDocxファイルを添付してレビューに出し、「修正しておいたよ」と返ってきた版をそのまま比較します。変更履歴なしで赤入れされていても、文書比較で自動検出できます。「どこが直されたか分からない」状態から脱却するもっとも基本的な使い方です。

  1. 提出前に自分のPCに保存しておいた原稿を「元の文書」に指定
  2. 返送されたファイルを「変更後の文書」に指定
  3. 比較を実行して統合文書で差分を一覧表示

パターン2:契約書の旧版と新版を突き合わせる

法務・調達担当が契約書の更新前後を比較する際に使えます。条項番号のずれや文言の細かな変更が一目で分かるため、「どの条項が何行目で何文字変わったか」を目視で確認するコストをゼロにできます。比較後の統合文書はPDFで保存し、承認証跡としてフォルダに残す運用が一般的です。

パターン3:複数人が別々に手を入れたバージョンを統合する

「比較」と隣にある「結合」機能を使うと、Aが修正した版とBが修正した版を1つの文書にまとめられます。手順は比較とほぼ同じですが、ダイアログで「結合(M)…」を選択します。競合が発生した箇所は色違いで表示され、どちらの変更を採用するか1箇所ずつ選択できます。

パターン4:社内テンプレートの改訂確認

提案書・報告書のテンプレートを年度改訂した際に、旧テンプレートと新テンプレートを比較して変更点を一覧化し、利用部門に「ここが変わりました」と周知するドキュメントを素早く作れます。変更履歴ウィンドウの内容をそのままコピーしてメール本文に貼ることも可能です。

パターン5:OneDriveのバージョン履歴との連携

OneDriveに保存した文書は、バージョン履歴から古いバージョンをダウンロードして比較機能と組み合わせられます。「3日前の版と今の版を比べたい」という場合は、バージョン履歴パネルから旧バージョンを「バージョンのダウンロード」→ローカルに保存→文書比較の「元の文書」に指定、という手順を踏みます。

承認・却下操作と統合文書の最終化

差分を確認したら、変更を承認(採用)するか却下(元に戻す)かを1件ずつ、または一括で処理します。

変更を1件ずつ承認・却下する

  1. 承認したい変更箇所にカーソルを置く(または左側のリストで選択)
  2. 「校閲」タブ→「変更箇所」グループの「承認」または「却下」をクリック
  3. 承認した変更は書式マーク(下線・取り消し線)が消えて確定テキストになる
  4. 却下した変更は変更前の状態に戻る

全変更を一括承認する

「承認」ボタンの▼(ドロップダウン矢印)をクリックして「ドキュメントのすべての変更を承認」を選択すると、統合文書に表示されたすべての差分が一括で確定されます。軽微な修正が大量にある場合や、変更内容を信頼している場合に便利です。

最終化後の保存

承認・却下が完了したら「名前を付けて保存」で統合文書を新しいファイル名で保存します。元の2文書には手を加えない運用にしておくと、「比較前の原本」と「確定版」の両方を手元に残せて後々のトレーサビリティが確保されます。

比較機能の注意点とよくある失敗

トラブル原因と対処
差分が大量に出て収拾がつかない書式変更を非表示にして本文差分だけに絞る。「変更内容の表示」→「書式設定」のチェックを外す
「元の文書」と「変更後の文書」を逆に指定した追加・削除が反転して表示される。ダイアログを再度開いて指定を入れ替えて再実行
日本語の差分が文字単位でバラバラに表示されるWordの差分アルゴリズムの仕様。比較結果は正確なので変更量を確認すればよい
変更履歴が記録されたままのファイルを比較元にした比較前に変更履歴をすべて承認して「きれいな」状態にしてから比較に使う
ページ数が多い文書で比較が遅い「詳細設定」で不要な比較項目(表・箇条書き・ヘッダーなど)のチェックを外すと処理が速くなる

MOS Word試験での出題ポイント

MOS Word 365試験では「校閲」タブの操作が複数出題されます。文書比較に関連する頻出チェックリストを確認しておきましょう。

#操作項目操作の場所頻出度
1「校閲」→「比較」→「比較(C)…」を開く校閲タブ・比較グループ★★★
2「元の文書」と「変更後の文書」を正しく指定する文書の比較ダイアログ★★★
3「結合(M)…」で複数版を統合する校閲タブ・比較ドロップダウン★★
4変更履歴ウィンドウの表示・非表示を切り替える校閲タブ・変更内容の表示★★
5変更箇所を1件ずつ承認・却下する校閲タブ・変更箇所グループ★★★
6ドキュメントのすべての変更を一括承認する「承認」ドロップダウン★★
7「前へ」「次へ」で変更箇所を順番に確認する校閲タブ・変更箇所グループ★★
8表示する変更の種類(書式/テキスト/コメント)を絞り込む変更内容の表示プルダウン

試験問題では「2つの文書を比較して変更箇所を確認せよ」という指示が与えられ、適切なダイアログを開いてファイルを指定する操作が求められます。「比較」と「結合」の使い分け、「元の文書・変更後の文書」の意味を正確に把握しておくことが合格の鍵です。

まとめ:文書比較を使えばレビューの往復が半分になる

Wordの文書比較機能は「変更履歴を記録しなかった版でも事後的に差分を確認できる」という強みがあり、ファイルをメールでやり取りする実務環境でとくに威力を発揮します。

  • 「校閲」→「比較」→「比較(C)…」で元の文書・変更後の文書を指定するだけ
  • 統合文書には削除テキスト(取り消し線)と追加テキスト(下線)が一覧表示される
  • 承認・却下で1件ずつ、または一括で変更を確定できる
  • 「結合」機能で複数人の編集版を1ファイルにまとめることも可能
  • MOS Word試験でも校閲タブの操作は頻出

まずは手元にある2つのWordファイルで試してみてください。目視確認の時間がなくなるだけで、文書レビューの生産性は大きく上がります。

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MOS Word試験対策の次のステップ

文書比較の操作をマスターしたら、変更履歴・コメント機能、共有・共同編集の設定など「校閲」タブのほかの機能も合わせて学習することで、MOS Word試験の校閲系問題を確実に得点源にできます。当サイトでは各機能を実務シナリオ付きで解説しているので、あわせて参考にしてください。

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