Accessで作成したレポートは、印刷またはPDFとして出力することで初めて業務で使える成果物になります。しかしAccessの印刷設定はWordやExcelとは画面の構成が異なるため、「どこから印刷するのか」「PDFに保存するにはどのメニューを使うのか」と迷う方が少なくありません。
本記事では、Accessレポートの印刷プレビューの確認方法・余白や用紙サイズの設定・PDF/XPS形式での発行手順・印刷実行時の部数とページ範囲の指定を、操作手順と実務上の注意点に沿って体系的に解説します。MOS Access試験の出題範囲にも含まれる操作なので、試験対策としても活用してください。
「レポートを作ったけれど印刷やPDF化の方法がわからない」「ページ設定の余白を変えるとレイアウトが崩れる」「MOS試験でPDF出力の問題が出たときに確実に対応したい」という方はぜひ最後までお読みください。
印刷とPDF出力の違いと使い分け
Accessのレポートを外部に出力する方法は大きく2つあります。
| 出力方法 | 操作経路 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| PDF/XPS形式で発行 | 「外部データ」タブ→「PDF/XPS形式で発行」 | メール添付・電子保存・印刷会社への入稿 | アプリ非依存の固定レイアウトで配布できる |
| プリンターで印刷 | 「ファイル」タブ→「印刷」→「印刷」または印刷プレビューから「印刷」 | 紙出力・社内回覧・承認用書類 | プリンター設定によりレイアウトがずれることがある |
外部への提供や電子保存が目的であればPDF出力が安全です。紙で手渡す場合は直接印刷を選びますが、印刷プレビューで事前確認することを必ず習慣にしてください。
印刷プレビューで仕上がりを確認する
Accessのレポートは「印刷プレビュー」ビューを使うと、実際に印刷される状態をそのまま画面で確認できます。余白・改ページの位置・データの切れ方を事前に確認することで、紙の無駄遣いや再印刷を防げます。
印刷プレビューを開く方法
| 操作方法 | 手順 |
|---|---|
| ナビゲーションウィンドウから | 対象レポートを右クリック→「印刷プレビュー」を選択 |
| レポートが開いている状態から | 「ホーム」タブ→「表示」→「印刷プレビュー」 |
| ステータスバーのビュー切替から | ウィンドウ右下のビューアイコンで「印刷プレビュー」をクリック |
印刷プレビュータブのコマンド一覧
印刷プレビューを開くと、専用の「印刷プレビュー」タブがリボンに表示されます。このタブにはページ設定・印刷・PDF発行・拡大縮小・ページナビゲーションのコマンドがまとまっています。
| コマンドグループ | 含まれるボタン | 説明 |
|---|---|---|
| 印刷 | 印刷 | プリンターへの出力ダイアログを開く |
| ページレイアウト | 縦、横、余白、ページ設定 | 用紙の向きや余白を素早く変更する |
| ズーム | ズーム、1ページ、2ページ、その他ページ | プレビューの表示倍率と表示ページ数を切り替える |
| データ | PDF/XPS形式で発行、Excel、テキストファイル、その他 | 各種形式でレポートを出力する |
| プレビューを閉じる | 印刷プレビューを閉じる | レポートビューに戻る |
印刷プレビュータブの「データ」グループにある「PDF/XPS形式で発行」ボタンを使うと、「外部データ」タブから操作するのと同じPDF保存ダイアログが開きます。MOS試験ではどちらの経路でも対応できるよう両方を練習しておくことをおすすめします。
ページ設定で余白・用紙サイズ・印刷の向きを調整する
Accessレポートのレイアウトは、デザインビューでのコントロール配置と「ページ設定」の余白設定の両方で決まります。コントロールの幅に対して余白が広すぎると空白が目立ち、狭すぎると右端のデータが切れてしまいます。
ページ設定ダイアログの開き方
ページ設定は「印刷プレビュー」タブ→「ページ設定」ボタンから開きます。レポートがデザインビューのときは「ページ設定」タブから開く方法もあります。ダイアログには「印刷オプション」「ページ」「列」の3つのタブがあります。
「印刷オプション」タブの設定項目
| 設定項目 | 単位 | 初期値の目安 | 変更が必要なケース |
|---|---|---|---|
| 上余白 | mm | 25mm前後 | ヘッダーエリアが広すぎる・狭すぎる場合 |
| 下余白 | mm | 25mm前後 | 最終ページのデータが次ページにはみ出す場合 |
| 左余白 | mm | 25mm前後 | 製本用のとじしろが必要な場合 |
| 右余白 | mm | 25mm前後 | 右端のフィールドが切れる場合 |
| データのみを印刷 | チェックボックス | オフ | ヘッダー・フッターを除いたデータだけを印刷したい場合 |
余白の単位はmm表記で表示されます。余白を変更したあとは必ず印刷プレビューで確認し、コントロールがページ幅に収まっているかどうかをチェックしてください。
「ページ」タブで用紙サイズと印刷の向きを変更する
「ページ設定」ダイアログの「ページ」タブでは、用紙サイズと印刷の向きを変更します。
| 設定項目 | 選択肢・操作 | 実務上の使い分け |
|---|---|---|
| 印刷の向き | 縦(Portrait)/横(Landscape) | フィールド数が多い横長レポートは「横」に変更する |
| 用紙 | A4・A3・B5・Letter など | 通常業務はA4。大型集計表はA3を使う |
| プリンター | 使用するプリンターを選択 | PDFドライバを選ぶとソフトウェアPDF化もできる |
「印刷の向き」を「横」に変更するだけで1ページあたりの横幅が広がるため、横方向に多くのフィールドを並べたレポートで改ページが減り、全体のページ数を抑えられます。設定後は印刷プレビューで全ページを確認して意図通りに仕上がっているかを確かめてください。
PDF/XPS形式での発行手順
AccessレポートをPDFに変換して保存する操作は「PDF/XPS形式で発行」コマンドで行います。Adobe AcrobatなどのPDF作成ソフトは不要で、Access単体でPDFを出力できます。
PDF発行の操作手順
| 手順 | 操作 | 補足 |
|---|---|---|
| ① レポートを開く | ナビゲーションウィンドウでレポートをダブルクリックしてレポートビューで開く | 印刷プレビューから操作しても同じダイアログが開く |
| ② PDF発行コマンドを選択 | 「外部データ」タブ→「エクスポート」グループ→「PDF/XPS形式で発行」をクリック | 印刷プレビュータブの「データ」グループにある同名ボタンでも可 |
| ③ ファイル名と保存先を指定 | 「PDF または XPS 形式で発行」ダイアログで保存フォルダーとファイル名を設定する | ファイルの種類は「PDF(*.pdf)」を選択 |
| ④ 最適化を選択 | 「標準(オンライン発行および印刷)」または「最小サイズ(オンライン発行)」を選ぶ | 印刷品質が必要なときは「標準」、メール添付でサイズ優先なら「最小サイズ」 |
| ⑤ オプションを確認 | 必要に応じて「オプション」ボタンをクリックしてページ範囲を指定する | 全ページ・ページ指定(例:1~3ページ)・現在のページを選択できる |
| ⑥ 発行 | 「発行」ボタンをクリックする | 「発行後にファイルを開く」をオンにするとPDFが自動で表示される |
「オプション」ダイアログで設定できる内容
「PDF または XPS 形式で発行」ダイアログの「オプション」ボタンを押すと、以下の項目を個別に設定できます。
| オプション項目 | 説明 |
|---|---|
| ページ範囲 | すべて・現在のページ・ページ指定(開始ページと終了ページを入力)のいずれかを選択する |
| ISO 19005-1 準拠(PDF/A) | 長期保存向けのPDF規格(PDF/A)に準拠したファイルを作成するときにチェックする |
| ドキュメント構造タグ(アクセシビリティ) | スクリーンリーダー対応のタグ情報をPDFに埋め込むときにチェックする |
社外配布や長期保管が目的の場合は「ISO 19005-1 準拠(PDF/A)」にチェックを入れることを検討してください。ただし、PDF/Aはフォントの埋め込みが必須になるためファイルサイズがやや大きくなります。
プリンターで印刷する手順(部数・ページ範囲の指定)
Accessから直接プリンターに印刷する手順は「ファイル」タブ→「印刷」→「印刷」の順で操作します。「クイック印刷」を選ぶと設定画面を経由せずに直ちに印刷が開始されるため、初めて印刷する場合は必ず「印刷」ダイアログを経由して設定を確認してから出力してください。
「ファイル」タブの「印刷」メニューの3つの選択肢
| 選択肢 | 動作 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 印刷 | 「印刷」ダイアログを開いてから出力する | プリンター・部数・ページ範囲を確認したいとき |
| クイック印刷 | ダイアログを経由せず既定のプリンターに即時出力する | 設定済みのレポートを素早く紙に出したいとき(初回使用時は避ける) |
| 印刷プレビュー | 印刷プレビュービューを開く | 印刷前に仕上がりを確認するとき |
「印刷」ダイアログの主な設定項目
| 設定項目 | 説明 | 実務での活用例 |
|---|---|---|
| プリンター名 | 出力先のプリンターをドロップダウンで選択する | 社内共有プリンターとPDFドライバを使い分ける |
| 印刷範囲:すべて | レポートの全ページを印刷する | 月次報告書の全ページ出力 |
| 印刷範囲:ページ指定 | 開始ページと終了ページを入力して特定ページだけ印刷する | 100ページ中の1~5ページだけを試し印刷する |
| 部数 | 同一レポートの印刷部数を指定する | 会議配布用に5部印刷する |
| 部単位で印刷 | チェックをオンにすると「1部目の全ページ→2部目の全ページ…」の順で出力する | 複数部数で各部をまとめて仕分けたい場合にオン |
印刷ダイアログの「設定」ボタンまたはプロパティボタンを使うと、用紙サイズや両面印刷などのプリンター固有の設定も変更できます。複合機で両面印刷や小冊子印刷が必要な場合はここで設定してください。
印刷列数の設定(多列印刷の応用)
Accessの「ページ設定」ダイアログには「列」タブがあります。このタブを使うと、1ページに複数列(2列・3列など)でレポートデータを並べて印刷できます。名刺・シール・データ一覧などの多列印刷で活用できます。
| 「列」タブの設定項目 | 説明 | 設定例 |
|---|---|---|
| 列数 | 1ページに並べる列の数を指定する | A4横向きに2列で印刷するなら「2」を入力 |
| 行間 | 上下のレコード間隔(mm単位) | 3mm程度で読みやすい間隔を確保する |
| 列間 | 左右の列間のすき間(mm単位) | 5mm程度でフィールドが隣り合わせにならないようにする |
| 列のサイズ:幅 | 各列のデータ幅をmm単位で指定する | A4縦で2列なら(用紙幅-左右余白-列間)÷2 で計算する |
| 列のレイアウト | 「列方向に移動」または「行方向に移動」でデータの並び順を決める | 縦方向に並べるなら「列方向に移動」、左上から横方向に並べるなら「行方向に移動」 |
ラベルウィザードで作成したレポートは自動的にこの列設定が行われています。一般のレポートを多列印刷に切り替える場合は「列数」を2以上にしたあと、必ず印刷プレビューでレイアウトが崩れていないかを確認してください。
よくあるトラブルと対処法
| 症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 右端のフィールドが印刷時に切れる | レポートの幅+左右余白が用紙幅を超えている | ①余白を狭くする ②印刷の向きを横にする ③デザインビューでコントロール幅を縮小する |
| 空白ページが繰り返し挿入される | レポートのセクション高さ+余白が用紙高さの2倍を超えている | デザインビューでセクション下端を上に詰め、余白を減らす |
| PDFに出力したらフォントが文字化けする | Accessが使用しているフォントがPDFに埋め込まれていない | MS明朝・MSゴシックなどの標準フォントに変更するか、PDF/A形式で再発行する |
| 印刷プレビューと実際の印刷でズレが生じる | プリンタードライバーの余白補正が働いている | 印刷プレビューで確認後、余白を若干大きめに設定して再確認する |
| 「PDF/XPS形式で発行」ボタンが見当たらない | 「外部データ」タブを開いていない、またはフォームやテーブルが開いている | レポートを開いた状態で「外部データ」タブ→「エクスポート」グループを確認する |
MOS Access試験でのPDF出力・印刷操作の出題ポイント
MOS Access 365では、レポートの操作とデータのエクスポートに関する問題が出題されます。PDF出力と印刷設定に関して試験で問われやすい操作を確認しておきましょう。出題分野別の出題数・配点は公表されていません。
- 「PDF/XPS形式で発行」の操作経路:「外部データ」タブ→「エクスポート」グループ→「PDF/XPS形式で発行」の経路を正確に覚える。印刷プレビュータブからも同じ操作ができることも押さえておく
- 印刷プレビューを開く方法:ナビゲーションウィンドウの右クリック→「印刷プレビュー」と「ホーム」タブ→「表示」→「印刷プレビュー」の2経路を両方練習する
- ページ設定の2タブ:「印刷オプション」タブで余白を変更する操作と、「ページ」タブで用紙サイズや印刷の向きを変更する操作を区別して覚える
- クイック印刷との違い:「ファイル」タブ→「印刷」の3つの選択肢(印刷・クイック印刷・印刷プレビュー)の違いを正確に覚える
- PDF発行時のページ範囲指定:「オプション」ダイアログで特定のページ範囲を指定してPDFに発行する操作を練習する
MOS試験の頻出操作チェックリスト
| 操作 | 操作経路 | 難易度 |
|---|---|---|
| 印刷プレビューを開く | ナビゲーションウィンドウ→右クリック→「印刷プレビュー」 | ★☆☆ |
| 余白を変更する | 「印刷プレビュー」タブ→「ページ設定」→「印刷オプション」タブ→余白欄に数値入力 | ★★☆ |
| 印刷の向きを横にする | 「印刷プレビュー」タブ→「横」ボタン または「ページ設定」→「ページ」タブ→「横」を選択 | ★☆☆ |
| PDFに発行する(全ページ) | 「外部データ」タブ→「PDF/XPS形式で発行」→ファイル名指定→「発行」 | ★★☆ |
| PDFに発行する(ページ範囲指定) | 上記手順→「オプション」→「ページ」指定→開始・終了ページを入力→OK→「発行」 | ★★★ |
| 印刷ダイアログで部数を指定して印刷 | 「ファイル」タブ→「印刷」→「印刷」→「部数」欄に数値入力→OK | ★★☆ |
MOS試験の試験時間は50分で、採点は1000点満点です。合格点は非公開で550点~850点が目安とされています。マルチプロジェクト形式(5個~10個のプロジェクトで構成されます)で問題が出題されるため、慣れない操作があると時間を取られます。PDF発行と印刷プレビューは確実に操作できるよう、繰り返し練習してから受験してください。
まとめ:AccessレポートのPDF出力・印刷を確実に仕上げる
本記事のポイントをまとめます。
- 出力方法は2種類:「PDF/XPS形式で発行」は電子保存・外部配布向け、「プリンターで印刷」は紙出力向け。初回は必ず印刷プレビューで仕上がりを確認してから出力する
- 印刷プレビューの開き方:ナビゲーションウィンドウの右クリック→「印刷プレビュー」が最も素早い。開くと専用タブがリボンに表示され、ページ設定・PDF発行・印刷コマンドが集約されている
- ページ設定の3タブ:「印刷オプション」タブで余白を設定し、「ページ」タブで用紙サイズと向きを変更し、「列」タブで多列印刷を設定する。余白変更後は必ずプレビューで右端の切れを確認する
- PDF発行の手順:「外部データ」タブ→「PDF/XPS形式で発行」→ファイル名・保存先・最適化品質を設定→「発行」。ページ範囲を指定するときは「オプション」ダイアログを使う
- 印刷ダイアログの操作:「ファイル」タブ→「印刷」→「印刷」からダイアログを開く。クイック印刷は設定確認なしで即時出力されるため、初回は必ず「印刷」を選ぶ
- 多列印刷は「ページ設定」→「列」タブ:列数・列間・列のサイズを設定することで、A4用紙に2列・3列でデータを並べて印刷できる
- MOS試験での頻出操作:PDF発行の操作経路(「外部データ」タブ)・印刷プレビューの開き方・ページ設定の各タブの使い分けを確実に覚えて繰り返し練習する
AccessのPDF出力と印刷設定は一度操作の流れを覚えれば迷わずに使えます。余白やページ設定のわずかなズレがレポートの見栄えに影響するため、本番前に必ず印刷プレビューで仕上がりを確認する習慣をつけてください。MOS試験対策としては、PDF発行・余白変更・印刷ダイアログの3操作をセットで練習することが、最短の得点アップにつながります。
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