Accessのレポートで「部門別に小計を出したい」「月ごとに改ページして印刷したい」という要件に応えるのが、Sort&Group(並べ替えとグループ化)設定です。クエリで集計する方法とは異なり、Sort&Groupはレポートのデザインビューで設定するため、同じクエリから様々な見せ方のレポートを柔軟に作り分けられます。
本記事では、Sort&Groupペインの開き方から、グループヘッダー・グループフッターの追加、Sum演算コントロールによる小計表示、改ページ設定、複数フィールドによる階層グループまで、実務で使える手順を順を追って解説します。

Sort&Group設定でできること
Sort&Group設定は、レポート内のデータを指定フィールドの値でまとめて表示する機能です。
- グループヘッダー:グループの先頭に表示するセクション。グループ名や見出しを配置します。
- グループフッター:グループの末尾に表示するセクション。小計・件数・平均などの集計値を配置します。
- 改ページ:グループ単位で用紙を分ける設定。部門ごとに1枚ずつ印刷したい場合に使います。
- 並べ替え:グループ内の明細行を昇順・降順に並べる設定。
これらを組み合わせることで、部門別・担当者別・月別など、集計軸を変えた帳票を自在に設計できます。
デザインビューでSort&Groupペインを開く
Sort&Group設定はレポートのデザインビューで行います。
- ナビゲーションウィンドウで対象レポートを右クリックし、「デザインビュー」を選択します。
- 「レポートのデザイン」タブ → 「グループと集計」グループの中にある「グループ化と並べ替え」ボタンをクリックします。
- レポート下部に「グループ化、並べ替え、集計」ペインが表示されます。
ペインがすでに開いている場合は同じボタンをクリックすると非表示になります。
グループ化フィールドを追加する
- ペイン内の「グループの追加」をクリックします。
- フィールド一覧が展開されます。グループ化したいフィールド(例:部門コード)を選択します。
- 行が追加され、昇順・降順・「詳細の表示」オプションが現れます。
- 「詳細の表示」をクリックして展開し、「ヘッダーセクションあり」「フッターセクションあり」をそれぞれ「ヘッダーセクションあり」「フッターセクションあり」に設定します。
レポートのデザインビューに「部門コード ヘッダー」「部門コード フッター」という新しいセクションが追加されます。
グループヘッダー・フッターにコントロールを配置する
グループヘッダーへのラベル・フィールド配置
グループヘッダーには、グループの値(部門名など)を表示するテキストボックスを配置します。
- 「レポートのデザイン」タブ → 「コントロール」グループ → 「テキストボックス」を選択します。
- グループヘッダーセクション内にドラッグして配置します。
- テキストボックスのプロパティシート(F4キー)を開き、「コントロールソース」に
=[部門コード]と入力します。
これにより、各グループの先頭に部門コードの値が大きく表示されます。
グループフッターに小計(Sum)を表示する
グループフッターには、集計値を表示する演算コントロールを配置します。
- 「テキストボックス」をグループフッターセクション内に配置します。
- プロパティシートの「コントロールソース」に集計式を入力します。
| 目的 | コントロールソース式 |
|---|---|
| グループ合計 | =Sum([売上金額]) |
| グループ件数 | =Count([注文番号]) |
| グループ平均 | =Avg([売上金額]) |
| グループ最大値 | =Max([売上金額]) |
| グループ最小値 | =Min([売上金額]) |
レポートフッターに同じ式を配置すると、レポート全体の総計が表示されます。グループフッターのSumはそのグループのみが集計対象となり、レポートフッターのSumは全明細行が集計対象です。
付属ラベルの整理
テキストボックスを配置すると、「テキスト○」という付属ラベルも一緒に生成されます。ラベルを選択してDeleteキーで削除するか、「小計:」「部門計:」のように書き換えて見出しとして活用します。
グループごとに改ページする
部門ごと・担当者ごとに別の用紙へ出力したい場合は、改ページプロパティを設定します。
- グループヘッダーセクションのセクションバー部分をクリックして選択します(ヘッダーの灰色のバー)。
- プロパティシートの「改ページ」プロパティを設定します。
| 設定値 | 動作 |
|---|---|
| なし | 改ページしない(既定) |
| カレントセクション前 | このセクションの前で改ページ(グループ先頭から新しいページへ) |
| カレントセクション後 | このセクションの後で改ページ |
| カレントセクションの前後 | 前後両方で改ページ |
グループヘッダーの「改ページ」を「カレントセクション前」に設定するのが最も一般的です。これにより各グループが必ず新しいページから始まります。最初のグループの前には余分な空白ページが生じることがあるため、その場合はグループヘッダーの「ページ先頭でグループを繰り返す」プロパティを調整します。
複数フィールドで階層グループを作る
「グループの追加」を複数回実行すると、2段階・3段階の階層グループを設計できます。
例として「部門 → 担当者 → 明細」の3層構造は次のように設定します。
- 1段目:部門コードでグループ化(グループヘッダーあり・フッターあり)
- 2段目:担当者IDでグループ化(グループヘッダーあり・フッターあり)
- 詳細セクション:受注日・商品名・数量・金額の明細行
ペイン上でグループ行をドラッグすると順序を変更できます。上位に配置したグループが外側(大分類)、下位のグループが内側(小分類)になります。
並べ替えの設定
「並べ替えの追加」ボタンで、グループ化とは独立して詳細レコードのソート順を指定できます。
- 「昇順」(A→Z / 小→大)または「降順」(Z→A / 大→小)を選択します。
- 「ユーザー定義順序…」を選ぶと、「東京・大阪・名古屋」のような任意の並び順を定義できます。
並べ替えルールはグループ化ルールの後に追加すると、グループ内の明細行だけに適用されます。
実務パターン:部門別月次売上レポート
次の構成で、部門別・月別の2段階集計レポートを作成できます。
- グループ1:部門名(昇順)← グループヘッダーに部門名テキストボックス、グループフッターに部門合計Sum
- グループ2:売上年月(Format関数で「yyyy/mm」形式)←グループヘッダーに年月表示、グループフッターに月計Sum
- 詳細行:商品名・数量・単価・金額
- レポートフッター:総合計Sum
年月フィールドが日付型の場合、グループ化設定の「グループ化」オプションで「月」を選ぶと日付の月単位でグループ化されます。この機能は日付型フィールドにのみ表示されるオプションです。
よくあるつまずきポイント
- Sum式が #Error になる:コントロールソースに入力したフィールド名がテーブル・クエリ上の名前と一致しているか確認します。フィールド名に空白や記号がある場合は
=[売上 金額]のように角括弧で囲みます。 - グループフッターが表示されない:グループ化設定で「フッターセクションあり」に変更されているか確認します。「なし」のままではセクション自体が存在しません。
- 改ページで最初のページが空白になる:グループヘッダーの「改ページ」を「カレントセクション前」に設定すると、レポートの先頭グループの前にも改ページが入る場合があります。条件付きのコントロール非表示で対応できますが、グループフッターの「カレントセクション後」に設定を移すことで回避できる場合もあります。
- グループの順序が意図と違う:ペイン内のグループ行の順序(上から順に外側グループ)を確認し、ドラッグで入れ替えます。

MOS Access 365(MO-500)試験との関連
レポートのSort&Group設定は、MOS Access 365(MO-500)の出題範囲に含まれます。グループヘッダー・グループフッターの追加操作、演算コントロールの配置と式の入力、プロパティシートの設定は実際に手を動かして練習することで定着します。分野別の出題数・配点は公表されていません。
試験時間は50分、採点は1000点満点で実施されます。合格点の公式値は非公開で、550点~850点が目安とされています。合格率は公表されていません。
受験料は税込で一般価格と学割価格の2種があります。最新の受験料は公式サイトの「受験料・価格」(https://mos.odyssey-com.co.jp/exam/examfee.html)でご確認ください。
全国一斉試験の申込締切は試験日のおよそ1か月前です(回により異なるため公式サイトの試験日程でご確認ください)。
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Accessレポートのスキルをさらに伸ばすには
Sort&Group設定でグループ化を制すると、クエリだけでは作りにくかった階層型の集計帳票が短時間で完成するようになります。次のステップとして演算コントロールのFormat関数による表示形式カスタマイズや、条件付き書式でのデータ視覚化も組み合わせてみましょう。
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