ツリーマップ・サンバーストグラフをExcelで作成する|階層データの可視化・ドリルダウン表示・系列色設定の実務手順とMOS Excel試験対策

ツリーマップ・サンバーストグラフをExcelで作成する|階層データの可視化・ドリルダウン表示・系列色設定の実務手順とMOS Excel試験対策

「部門ごとの予算とその内訳費目を一枚のグラフで見たい」「製品カテゴリと商品名の構成比を階層で示したい」——複数の階層を持つデータを表現したいとき、棒グラフや円グラフでは全体像がつかみにくくなります。

そこで役立つのが、Excel 365に搭載されたツリーマップグラフとサンバーストグラフです。どちらも階層構造を持つデータを一枚のグラフで可視化できるグラフ種類で、MOS Excel試験の「グラフの管理」に関連する実技操作としても押さえておきたい機能です。

本記事では、2つのグラフの違いと使い分けから、データ準備・グラフ挿入・色設定・ラベル編集の実務手順まで、順を追って解説します。

ツリーマップ・サンバーストグラフをExcelで作成する|階層データの可視化・ドリルダウン表示・系列色設定の実務手順とMOS Excel試験対策 - 解説

目次

ツリーマップとサンバーストの違い

2つのグラフはともに階層データを表現しますが、表現の形とデータの読み方が異なります。

ツリーマップグラフ

ツリーマップは階層ごとに区分けされた長方形の集まりでデータを表現します。大分類が大きな矩形として表示され、その中に中分類・小分類の矩形が入れ子状に配置されます。各矩形の面積が値の大きさに比例するため、「全体の中でどのカテゴリが占める割合が大きいか」を面積感覚で直感的に把握できます。

主な活用場面:

  • 製品カテゴリ別売上(大カテゴリ→中カテゴリ→商品名)
  • 組織図的な予算配分(部門→チーム→プロジェクト)
  • 在庫構成の可視化(倉庫→棚→品目)
  • コスト構造の大小比較(費目→明細)

サンバーストグラフ

サンバーストは中心から外側に向かって同心円のリングを重ねる形でデータを表現します。内側のリングが大分類、外側のリングが小分類を表し、各扇形の角度が値の大きさに対応します。円グラフを多階層に拡張したイメージです。

主な活用場面:

  • 地域(大陸→国→都市)ごとの売上比率
  • 費用の内訳(大分類→中分類→費目)の比率確認
  • アンケート結果の属性と回答の同時表示
  • 製品ラインナップの階層別構成比

使い分けの基準

観点 ツリーマップ サンバースト
形状 入れ子の長方形 同心円のリング
得意な読み取り 絶対量の大小比較 全体に対する比率
視認性が保てる階層数 2~3階層 3~4階層
大分類列を省略した場合 各行が独立した分類として表示 各行が独立した扇として表示

データの準備

ツリーマップ・サンバーストの両グラフは、階層(カテゴリ)の列と値の列を組み合わせた表形式のデータを使います。

2階層のデータ例(大分類・商品名・売上)

A列(大分類) B列(商品名) C列(売上)
食品 米・穀物 4200000
食品 乳製品 3100000
食品 飲料 2800000
日用品 洗剤・清掃 1900000
日用品 ペーパー類 1400000
衣料 春夏商品 2600000
衣料 秋冬商品 3300000

データ準備のポイント:

  • 階層の列は左から順に配置する(大分類→中分類→小分類の順)
  • 1行目はヘッダー行にする(グラフの凡例やラベルに自動使用される)
  • 値列は数値のみ入力する(単位・カンマ不要)
  • 値に負の数は使えない(ツリーマップ・サンバーストはいずれも正の値専用)
  • 大分類列を空白にすると、その行は独立した1つの分類として扱われる

実務手順①:ツリーマップグラフを作成する

手順① データ範囲を選択する

すべての階層列(A・B列)と値列(C列)を含む範囲を、ヘッダー行を含めて選択します。

手順② ツリーマップグラフを挿入する

  1. リボンの「挿入」タブをクリックする
  2. 「グラフ」グループの「階層グラフの挿入」ボタン(入れ子の四角アイコン)をクリックする
  3. 表示されるメニューから「ツリーマップ」を選択する

入れ子の長方形が並ぶグラフがすぐに生成されます。大分類ごとに色分けされ、同じ色のブロック内に各商品名の長方形が収まっていれば正常です。

手順③ データラベルを設定する

  1. グラフを選択した状態で右上の「+」(グラフ要素)をクリックする
  2. 「データラベル」にチェックを入れる
  3. 初期設定では各長方形の名称(商品名など)が表示される
  4. ラベルをダブルクリック→「データラベルの書式設定」で「カテゴリ名」「値」「パーセンテージ」の表示内容を調整できる

手順④ 系列の色を変更する

  1. 変更したい大分類のブロックをクリックして選択する(同じ大分類全体がまとめて選ばれる)
  2. 「書式」タブ→「図形の塗りつぶし」で任意の色に変更する
  3. または右クリック→「データ系列の書式設定」→「塗りつぶし」から変更する

手順⑤ グラフタイトルを編集する

グラフタイトルのテキストボックスをクリックして選択し、内容を業務に合わせたタイトルに書き換えます(例:「カテゴリ別売上構成(2026年度)」)。

実務手順②:サンバーストグラフを作成する

手順① データ範囲を選択する

ツリーマップと同じ形式のデータ範囲(階層列+値列)をヘッダーごと選択します。

手順② サンバーストグラフを挿入する

  1. リボンの「挿入」タブをクリックする
  2. 「グラフ」グループの「階層グラフの挿入」ボタンをクリックする
  3. 表示されるメニューから「サンバースト」を選択する

中心に大分類のリング、外側に商品名のリングが描画されます。同じ大分類に属する項目は同系色の扇形でまとまります。

手順③ 凡例とデータラベルを整える

  • 「グラフ要素(+)」→「凡例」で表示・非表示と位置(右・左・上・下)を設定する
  • 「グラフ要素(+)」→「データラベル」でラベルをオンにし、「データラベルの書式設定」でカテゴリ名・値・パーセンテージの組み合わせを選ぶ
  • リングが細すぎてラベルが重なる場合は、グラフサイズを拡大するか表示項目を絞る

手順④ グラフタイトルを編集する

ツリーマップと同様、グラフタイトルをクリックして業務内容に合わせた名称に書き換えます。

データラベルの表示項目一覧

ツリーマップ・サンバーストのデータラベルには、以下の項目を組み合わせて表示できます。

設定項目 内容 おすすめの使いどき
系列名 凡例に使われる大分類名 大分類のブロック・リングに大分類名を表示したい場合
カテゴリ名 各セルの分類名(商品名など) 最も基本的なラベル。項目名を表示したいとき
値 元データの数値 絶対量を同時に示したい場合
パーセンテージ 全体に対する割合 サンバーストで比率を強調したい場合

複数項目を同時にチェックすると「商品名(15.3%)」のように組み合わせて表示できます。文字が多すぎる場合は、グラフを大きくするか表示項目を絞り込んでください。

よくあるつまずきと対処法

Q:「階層グラフの挿入」ボタンが表示されない

ツリーマップとサンバーストはExcel 2016以降で追加された機能です。Excel 2013以前では利用できません。Microsoft 365(Excel 365)を使用している場合は、Officeを最新バージョンに更新することで利用可能になります。

Q:大分類の区切りが表示されず、すべてが同じ色になる

大分類(A列)のデータが正しく入力されているか確認してください。大分類列がすべて空白の場合、Excelはすべての行を独立した1つの分類として扱います。大分類列に値を入力することで、同じ大分類の項目が同色のブロックにまとまります。

Q:グラフを更新してもデータが反映されない

グラフを選択した状態で右クリック→「データの選択」を開き、データ範囲を確認・修正してください。行を追加してもグラフに反映されない場合は、データ範囲を手動で広げる必要があります。テーブル機能(「挿入」→「テーブル」)でデータをテーブル化しておくと、行追加時にグラフが自動拡張されます。

Q:値が0の項目を表示したい

ツリーマップ・サンバーストは値が0または負の数の場合、その項目がグラフに表示されません。0の項目を示す必要があるときは、ごく小さな正の値(例:0.001)に置き換えるか、棒グラフや表で補足表示する構成を検討してください。

Q:階層が深すぎてラベルが読めない

一般に2~3階層が視認性のバランスが取りやすいです。4階層以上になる場合は、ツリーマップ・サンバーストにこだわらず、ピボットテーブルの折りたたみ表示と組み合わせる構成も検討してください。

Q:印刷するとラベルが見えない

グラフを大きく引き伸ばしてから印刷するか、「グラフタイトル」にデータの要点をまとめる方法があります。また「ファイル」→「印刷」のプレビューで印刷後の見た目を事前に確認してから調整するとスムーズです。

MOS Excel試験との関係

MOS Excel 365 一般レベル(MO-210)の出題範囲のひとつに「グラフの管理」があります。グラフの挿入・グラフ種類の変更・グラフ要素の追加・書式設定の操作はこの領域に含まれます。ツリーマップ・サンバーストを含む各グラフ種類ごとの出題数・配点は公表されていません。

公式が公表している試験概要:

  • 試験時間:50分
  • 採点:1000点満点
  • 合格点:非公開(550点~850点が目安とされています)
  • 出題形式:5個~10個のプロジェクトで構成されます。各プロジェクトに1~7個の小問が含まれます
  • 合格率:公表されていません

受験料は改定される場合があります。受験前に公式サイトの「受験料・価格」(https://mos.odyssey-com.co.jp/exam/examfee.html)で最新情報をご確認ください。

MOS試験の学習時間の目安

MOS Excel 365 一般レベル(MO-210)の学習時間の目安(いずれも目安です):

  • Excelをほとんど使ったことがない方:40~60時間
  • 業務でExcelを日常的に使っている方:20~30時間

1日1時間のペースで学習した場合、初学者の方は約2か月、業務経験者の方は3~4週間が目安です。

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ツリーマップ・サンバーストグラフをExcelで作成する|階層データの可視化・ドリルダウン表示・系列色設定の実務手順とMOS Excel試験対策 - まとめ

まとめ

ツリーマップとサンバーストグラフは、いずれもExcel 365の「階層グラフの挿入」から数クリックで作成できます。データは「大分類列→小分類列→値列」の順に並べるだけで、Excelが自動的に階層を認識してグラフを描画します。

使い分けのポイントは、絶対量の大小比較にはツリーマップ、全体に対する比率の表示にはサンバーストです。どちらも2~3階層のデータで最も視認性が高くなります。プレゼン資料や経営レポートに階層構造のあるデータを組み込むとき、ぜひ活用してみてください。

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