「Wordに画像を貼り付けたけど、白い背景のせいで資料が安っぽく見える」「写真をもう少し明るくしたい」「ファイルサイズが大きすぎてメールで送れない」——こうした悩みは、Wordの画像編集機能を使えばすべて解決できます。Wordには背景削除・トリミング・アート効果・明度調整・ファイル圧縮まで、本格的な画像編集機能が標準搭載されています。外部の画像編集ソフトがなくても、Word上で作業が完結します。
本記事では、画像をWordに挿入した後に使える全編集機能を体系的に解説します。「図の形式」タブの活用から、背景削除のコツ、縦横比を保ったトリミング、グレースケール変換、ファイルサイズを大幅に減らす圧縮設定まで、実務で即役立つ操作手順を網羅します。MOS Word 365試験(MO-100)の出題ポイントも最後にまとめています。
「図の形式」タブにアクセスする
Wordで画像を編集するには、まず対象の画像をクリックして選択状態にします。すると、リボンに「図の形式」タブが自動的に追加表示されます。このタブには画像編集に関するすべての機能がまとまっています。
| グループ名 | 主な機能 |
|---|---|
| 調整 | 背景の削除・修整(明度・コントラスト・シャープネス)・色の変更・アート効果・画像のリセット・画像の圧縮 |
| 図のスタイル | ピクチャスタイルの一覧・図の枠線・図の効果・図のレイアウト |
| アクセシビリティ | 代替テキストの設定 |
| 配置 | 文字列の折り返し・位置・前面・背面・グループ化・配置 |
| サイズ | トリミング・高さ・幅 |
「図の形式」タブは画像が選択されているときだけリボンに表示されます。画像以外の場所をクリックするとタブが非表示に戻ります。画像をダブルクリックすると同じタブが開くことも覚えておくと便利です。
背景の削除(Remove Background)
白抜きにしたい画像や、ロゴから背景を取り除きたい場面で活躍するのが「背景の削除」機能です。PNGの透過処理を別ツールで行わなくても、Word上で直接作業できます。
背景削除の基本手順
- 背景を削除したい画像をクリックして選択する
- 「図の形式」タブ→「調整」グループの「背景の削除」をクリックする
- 画像にマゼンタ(濃いピンク)のオーバーレイが表示され、削除予定の領域が色づけされる
- 必要に応じて「保持する領域としてマーク」「削除する領域としてマーク」でブラシ操作して調整する
- 「変更を保持する」をクリックして確定する(「変更を破棄する」で元の状態に戻れる)
「背景の削除」は画像の色情報を自動分析して被写体を検出します。単色の背景や背景との境界がはっきりしている画像ほど精度が高く、グラデーションや複雑な背景では手動調整が必要になります。
保持・削除領域の手動調整
| ボタン | 操作 | 用途 |
|---|---|---|
| 保持する領域としてマーク | 削除予定の領域をドラッグ | 誤って削除されている被写体部分を復元する |
| 削除する領域としてマーク | 保持予定の領域をドラッグ | 残ってしまった不要な背景部分を削除する |
| マーク付き線を削除 | 調整したマークを個別に取り消す | マークの位置を間違えたときに修正する |
| 変更を破棄する | 背景削除を全キャンセルして元に戻る | 最初からやり直すとき |
背景削除後の画像はWord文書内で透過表示されます。背景削除した画像を他のアプリで使う場合は、Word上で右クリック→「図として保存」からPNG形式で書き出せます。
トリミング(切り抜き)の3パターン
Wordのトリミング機能は「画像の不要な周辺部分を切り取る」だけでなく、「縦横比を指定して切り取る」「図形の輪郭に合わせて切り取る」という3パターンが使えます。いずれも「図の形式」タブ→「サイズ」グループの「トリミング」から操作します。
パターン1:ハンドルをドラッグして自由にトリミング
- 画像を選択する
- 「図の形式」タブ→「サイズ」グループの「トリミング」ボタン上部(アイコン部分)をクリックする
- 画像の四隅と辺にトリミングハンドル(黒いL字・T字)が表示される
- ハンドルをドラッグして残したい範囲を調整する(トリミング外の部分はグレーアウト表示)
- 画像以外の場所をクリックして確定する
トリミングを確定した後も、再度「トリミング」をクリックすれば範囲を変更できます。Wordはトリミング外の画像データを削除せずに保持しているため、後から修正が可能です。ただし後述の「画像の圧縮」で「トリミングされた領域を削除する」を実行すると元に戻せなくなります。
パターン2:縦横比を指定してトリミング
- 画像を選択する
- 「図の形式」タブ→「トリミング」ボタンの下矢印をクリックしてメニューを展開する
- 「縦横比」にカーソルを合わせるとサブメニューが表示される
- 「1:1」「4:3」「16:9」「2:3」「3:4」などから目的の比率を選択する
- 選択した比率のトリミング枠が画像に重なって表示されるので、ドラッグで位置を微調整する
- 画像以外の場所をクリックして確定する
SNS投稿用のサムネイルや資料に並べる写真を統一したいときに便利です。たとえばスライド風の報告書では「16:9」に統一すると、複数の写真が並んでも整然として見えます。
パターン3:図形に合わせてトリミング
- 画像を選択する
- 「図の形式」タブ→「トリミング」の下矢印をクリックする
- 「図形に合わせてトリミング」にカーソルを合わせると図形一覧が表示される
- 円・楕円・角丸四角形・星形など、目的の図形をクリックする
人物の顔写真を円形に切り抜いてプロフィール風にする、製品画像をスター形でアクセントにするなど、デザイン性を高めたい場面で活用できます。「図形に合わせてトリミング」後も、ハンドル操作で画像の表示位置を微調整できます。
明度・コントラスト・シャープネスの調整
「図の形式」タブ→「調整」グループの「修整」ボタンから、画像の明るさとくっきり感を調整できます。プリセット選択だけで完結する手軽な方法と、数値を細かく設定する詳細設定の2通りがあります。
プリセットから選択する
- 画像を選択する
- 「図の形式」タブ→「修整」をクリックする
- ギャラリーが2段構成で表示される(上段:シャープネス、下段:明度とコントラスト)
- カーソルをプリセットのサムネイルに重ねると文書上でプレビューが確認できる
- 目的のプリセットをクリックして確定する
「図の修整オプション」で数値を細かく設定する
「修整」メニューの一番下の「図の修整オプション」をクリックすると、画面右側に「図の書式設定」ウィンドウが開きます。スライダーまたは数値入力で細かく調整できます。
| 設定項目 | 調整範囲 | 実務での活用例 |
|---|---|---|
| シャープネス | −100%~+100% | スキャンした手書き資料を鮮明にしたいとき +20%~+40% |
| 明度 | −100%~+100% | 薄暗い室内で撮った写真を明るくしたいとき +10%~+20% |
| コントラスト | −100%~+100% | のっぺりした写真にメリハリを付けたいとき +10% |
調整後にやり直したいときは「図の書式設定」ウィンドウ内の「図のリセット」ボタン、またはリボンの「調整」グループ内「図のリセット」で元の状態に戻せます。
色の変更(彩度・色調・色の変更)
「図の形式」タブ→「調整」グループの「色」ボタンから、画像の色合いを調整できます。カラー写真をグレースケールに変換したり、特定の色調に染めたりする操作が、Wordだけで完結します。
色の変更メニューの3領域
| 領域 | 効果 | 実務での活用 |
|---|---|---|
| 色の彩度 | 彩度を0%(グレースケール)から高彩度まで5段階で調整 | カラー写真をモノクロ調にしたいとき |
| 色調 | 色温度を暖色系から寒色系まで8段階で調整 | 写真全体を温かみのある/クールな印象にしたいとき |
| 色の変更 | 全体を特定の単色(セピア・ブルー・ゴールドなど)で塗りつぶす | ブランドカラーに合わせた統一感を出すとき |
カラー写真をグレースケールにする場合は「色の彩度」の「彩度0%」を選択します。完全な白黒モノクロにするには、「色の変更」セクションの「グレースケール」を選択してください。
透明色の設定(単色背景の白抜き)
「色」メニュー最下部の「透明色の設定」は、クリックした色を透過に変換します。白背景の図記号やロゴなど、単一の背景色だけを取り除きたいときに「背景の削除」よりも素早く処理できます。
- 「図の形式」タブ→「色」→「透明色の設定」をクリックする
- カーソルがスポイト型に変わる
- 透過にしたい色の部分をクリックする
この機能はクリックした1色のみを透過にします。背景がグラデーションや複数色の場合には「背景の削除」を使ってください。
アート効果の適用
「図の形式」タブ→「調整」グループの「アート効果」ボタンから、写真に鉛筆スケッチや水彩画、モザイクなど23種類の効果を1クリックで適用できます。
代表的なアート効果の一覧
| 効果名 | 見た目の特徴 | 実務での用途 |
|---|---|---|
| 鉛筆(グレースケール) | 鉛筆で書いたスケッチ風 | 手描き感のある説明図・概念画像 |
| 水彩画(スポンジ) | 水彩絵の具風のにじみ | 温かみのあるパンフレット・レポート |
| モザイク(バブル) | 丸いバブルで構成されたモザイク | 個人情報(顔・書類の一部)を隠す |
| ぼかし | 全体をソフトにぼかす | 背景画像として使うとき主役コンテンツを際立たせる |
| 光彩効果(ガラス) | ガラスに映り込んだような光沢感 | テクニカルな印象の技術資料 |
| セメント | ざらついたテクスチャ | インパクトのあるポスター風レイアウト |
アート効果を適用した後に強度を変えるには、「アート効果」メニューの一番下の「アート効果のオプション」から「図の書式設定」ウィンドウを開き、スライダーを動かします。
アート効果を削除するには「アート効果」メニューの左上の「なし」をクリックします。「修整」→「画像のリセット」でもアート効果を含む全調整を取り消せます。
ピクチャスタイルと枠線・効果
「図の形式」タブの「図のスタイル」グループには、影・反射・発光・角丸などが組み合わさったデザインセットが28種類あります。クリック1つで画像を資料向けのスタイルに整えられます。
ピクチャスタイルの適用手順
- 画像を選択する
- 「図の形式」タブ→「図のスタイル」グループのギャラリーのサムネイルにカーソルを合わせる
- 文書上でプレビューが確認できる
- 目的のスタイルをクリックして適用する(ギャラリー右端の「その他」ボタン▼で全28種類を一覧表示できる)
図の枠線・図の効果を個別に設定する
| 機能 | 設定できる内容 | 実務での活用 |
|---|---|---|
| 図の枠線 | 色・太さ・実線/点線/破線の種類 | 複数の画像の枠線を同色・同太さに統一して資料の品質を上げる |
| 図の効果 | 影(内側・外側・遠近感)・反射・光彩・ぼかし・面取り・3-D回転 | プレゼン資料のキービジュアルに立体感を加える |
ピクチャスタイルを適用した後に「図の枠線」や「図の効果」を個別に変更して微調整できます。スタイルを「なし」に戻したい場合は、「図のスタイル」ギャラリーで「なし」を選択するか「図のリセット」を実行します。
画像を圧縮してファイルサイズを削減する
高解像度の写真を複数枚挿入したWordファイルは数十MBになることがあります。メール添付の制限に引っかかったり、共有ドライブのストレージを圧迫したりする前に、「画像の圧縮」機能でファイルサイズを大幅に削減しましょう。
画像圧縮の手順
- 画像をクリックして選択する(文書内のすべての画像を対象にする場合は選択しなくてよい)
- 「図の形式」タブ→「調整」グループの「画像の圧縮」をクリックする
- 「画像の圧縮」ダイアログが開く
- 「この画像だけに適用する」のチェック状態を確認する(オンで選択画像のみ・オフで文書内の全画像が対象)
- 目的に合わせて「解像度」を選択する
- 「OK」をクリックして圧縮を実行する
解像度オプションの選択基準
| 解像度設定 | 参考dpi | 推奨用途 |
|---|---|---|
| 高品質(ドキュメントの解像度を使用) | 文書設定に依存 | 印刷品質を維持したい場合 |
| HD(330ppi) | 330 | 高品質印刷・A3以上の出力 |
| 印刷(220ppi) | 220 | 通常のA4印刷用途 |
| Web(150ppi) | 150 | 画面表示・PDF配布 |
| 電子メール(96ppi) | 96 | メール添付・ファイルサイズ最優先 |
メール添付用なら「電子メール(96ppi)」を選ぶとファイルサイズを大幅に削減できます。印刷物として提出する場合は「印刷(220ppi)」以上を維持してください。
「トリミングされた領域を削除する」の注意点
「画像の圧縮」ダイアログには「トリミングされた領域を削除する」チェックボックスがあります。これをオンにするとWordが内部で保持していたトリミング外のデータが完全に削除され、後からトリミング範囲を変更できなくなります。レイアウトが確定した最終入稿時にのみ使用し、編集中はオフのままにしておくことをおすすめします。
MOS Word 365試験(MO-100)での画像編集の出題ポイント
画像の編集操作は、MOS Word 365(MO-100)の「グラフィック要素の挿入と書式設定」の範囲に含まれます。出題範囲に含まれます。分野別の出題数・配点は公表されていません。
試験で問われる可能性が高い操作は以下の通りです。
- 画像のトリミングを実行する(ハンドル操作・縦横比指定・図形に合わせてトリミング)
- 画像の明度・コントラスト・シャープネスを変更する
- 画像の色を変更する(彩度・色調・グレースケール変換)
- 背景を削除して透過画像にする
- アート効果を適用または削除する
- ピクチャスタイルを適用する
- 図の枠線・図の効果を設定する
- 画像を圧縮する(解像度を指定して実行)
- 代替テキストを設定する
MOS試験 画像編集チェックリスト
| 操作 | 手順のポイント | 確認 |
|---|---|---|
| 背景を削除する | 「図の形式」→「背景の削除」→保持・削除領域を調整→「変更を保持する」 | □ |
| トリミングする(自由) | 「図の形式」→「トリミング」→ハンドルをドラッグ→クリックで確定 | □ |
| 縦横比を指定してトリミング | 「トリミング」の下矢印→「縦横比」→比率を選択 | □ |
| 図形に合わせてトリミング | 「トリミング」の下矢印→「図形に合わせてトリミング」→図形を選択 | □ |
| 明度・コントラスト変更 | 「修整」→プリセット選択、または「図の修整オプション」でスライダー調整 | □ |
| グレースケール変換 | 「色」→「色の彩度」→「彩度0%」または「色の変更」→「グレースケール」 | □ |
| アート効果を適用する | 「アート効果」→目的の効果を選択 | □ |
| ピクチャスタイルを適用する | 「図のスタイル」ギャラリーからスタイルを選択 | □ |
| 画像を圧縮する | 「画像の圧縮」→解像度を選択→OK | □ |
| 画像をリセットする | 「調整」グループ→「図のリセット」 | □ |
MOS Word 365試験の基本情報
MOS Word 365(MO-100)の試験時間は50分で、採点は1000点満点です。合格点は公開されていません(550点~850点が目安と言われていますが公式発表ではありません)。合格率は公表されていません。試験は5個~10個のプロジェクトで構成され、各プロジェクトに複数の小問が含まれるマルチプロジェクト形式です。
受験料は一般価格と学割価格の2種類があり、いずれも税込です。最新の受験料は公式サイトの「受験料・価格」(https://mos.odyssey-com.co.jp/exam/examfee.html)でご確認ください。
よくある質問(FAQ)
背景削除の精度が低く、被写体の一部が消えてしまいます
「保持する領域としてマーク」ツールで消えてしまった部分をドラッグして指定します。Wordの背景削除は色の差異を基準に判定するため、背景と被写体の色が似ている場合は手動調整が不可欠です。複雑な画像の場合は、専用の画像編集ソフトで透過PNGを作成してWordに挿入する方法が確実です。
トリミングを確定した後で元の画像全体を見直せますか?
「画像の圧縮」で「トリミングされた領域を削除する」を実行していなければ、いつでも戻せます。「図の形式」→「トリミング」を再クリックするとハンドルが表示され、範囲を広げれば元の画像が復元されます。圧縮で領域を削除した後は復元できないため、最終確定まで削除はしないことをおすすめします。
圧縮を実行したら画像がぼやけてしまいました
解像度が下がったため、印刷や拡大表示で粗く見えることがあります。直後ならCtrl+Zで取り消せますが、保存後や複数回操作後は取り消しが困難です。資料の最終用途(印刷・Web表示・メール添付)に合わせた解像度を事前に確認してから圧縮を実行してください。
画像に加えた変更をすべてリセットして挿入直後の状態に戻せますか?
「図の形式」タブ→「調整」グループの「図のリセット」ボタンをクリックします。ボタンの下矢印をクリックすると「図のリセット(サイズを変更しない)」と「図とサイズのリセット」の2つが選べます。アート効果・修整・色の変更はリセットされますが、圧縮で削除された領域やトリミングデータを削除した場合は元に戻りません。
アート効果とピクチャスタイルを同時に適用できますか?
はい、組み合わせて使えます。たとえば「鉛筆スケッチ」のアート効果を適用した上に、ピクチャスタイルの「ドロップシャドウの四角形」を重ねることができます。ただし効果を重ねすぎると視認性が下がるため、報告書やプレゼン資料ではシンプルに保つことをおすすめします。
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画像の挿入・トリミング・背景削除・アート効果・ファイル圧縮など、Wordの画像編集機能を豊富なスクリーンショットで丁寧に解説。基礎から応用まで順を追って学べるので、MOS Word試験の準備にも最適な一冊です。
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MOS Word試験の出題範囲をカバーしながら、最新のCopilot機能まで網羅。画像編集やグラフィック要素の操作を実例を交えて解説しており、資料作成の品質向上に役立てられます。
まとめ:Wordの画像編集機能で資料の完成度を高める
Wordの「図の形式」タブには、背景削除・トリミング・明度調整・色の変更・アート効果・ピクチャスタイル・圧縮と、本格的な画像編集機能が一通り揃っています。外部の編集ソフトを使わなくても、Word上で資料に適した画像に仕上げることができます。
実務では「背景削除でロゴを白抜きにする」「縦横比を揃えて資料の統一感を出す」「メール添付前に電子メール解像度で圧縮する」の3つを押さえるだけで、文書のクオリティと共有のしやすさが格段に向上します。MOS Word 365試験(MO-100)でも「グラフィック要素の挿入と書式設定」として出題範囲に含まれているため、今回紹介した操作を実際のWordで確認しながら練習してください。
画像編集機能をWordで使いこなして、資料の完成度をさらに高めましょう。
