Accessのレポートを自分でデザインしようとしたとき、「レポートヘッダーとページヘッダーはどう違うのか」「ページ番号はどこに書けば毎ページ印刷されるのか」と迷う方は少なくありません。レポートは5つの固定セクションから成り立っており、各セクションの役割を正確に理解することがきれいな帳票設計の出発点になります。
本記事では、レポートヘッダー・ページヘッダー・詳細・ページフッター・レポートフッターそれぞれの役割と、デザインビューでの表示・非表示の切り替え方、各セクションに配置する典型的なコントロール、プロパティの設定方法までを順を追って解説します。

Accessレポートの5つのセクション一覧
Accessレポートのデザインビューを開くと、画面は縦方向に複数のセクションに分割されています。基本となる5つのセクションは次のとおりです。
| セクション名 | 印刷される場所 | 印刷される回数 |
|---|---|---|
| レポートヘッダー | レポートの先頭ページ最上部 | 1回(レポート全体で) |
| ページヘッダー | 各ページの最上部 | 全ページで繰り返し |
| 詳細 | データ1行につき1回 | レコード数と同じ回数 |
| ページフッター | 各ページの最下部 | 全ページで繰り返し |
| レポートフッター | レポートの最終ページ最下部 | 1回(レポート全体で) |
これに加えて、Sort&Groupでグループ化を設定すると「グループヘッダー」と「グループフッター」がセクションとして追加されます。グループセクションについては後のセクションで触れます。
デザインビューでセクションを確認する
セクションの構成を確認・編集するにはデザインビューを使います。
- ナビゲーションウィンドウで対象のレポートを右クリックし、「デザインビュー」を選択します。
- 画面中央のデザイン領域に、灰色の「セクションバー」(例:「ページヘッダー」「詳細」など)が縦に並んで表示されます。
- セクションバーをクリックするとそのセクションが選択状態になり、プロパティシート(F4キー)でセクション固有の設定が確認できます。
セクションバーの下の白い領域がコントロール(テキストボックス・ラベルなど)を配置するスペースです。セクションバーの下端をドラッグすると高さを変更できます。
レポートヘッダー
役割
レポートヘッダーはレポートの先頭ページの最上部にのみ印刷されます。表紙タイトル・会社名・作成日・ロゴ画像など、レポート全体を代表する情報を配置します。
配置するコントロールの例
- タイトルラベル:「2024年度 売上集計表」のようなラベルを大きなフォントサイズで配置
- 作成日テキストボックス:コントロールソースに
=Date()と入力すると今日の日付が表示される - 会社名・部署名ラベル:固定文字列として配置
レポートヘッダーを非表示にする
レポートに表紙が不要な場合は、セクションバーを右クリック →「レポートヘッダー/フッター」の選択を外すと、レポートヘッダーとレポートフッターの両方が非表示になります。なお、高さを0にするだけでも印刷時に領域が省略されます。
ページヘッダー
役割
ページヘッダーはすべてのページの最上部に繰り返し印刷されます。1ページ目ではレポートヘッダーの直後に印刷されます。
配置するコントロールの例
- 列見出しラベル:「日付」「商品名」「数量」「金額」のような表の列ヘッダーを配置すると、2ページ目以降でも見出しが表示されて読みやすくなります。
- ページタイトルラベル:各ページに繰り返し表示したいタイトル
レポートヘッダーとの使い分け
- レポートの表紙や冒頭の説明文 → レポートヘッダー
- 毎ページに表示したい列見出しや継続タイトル → ページヘッダー
ページヘッダーをレポートヘッダーページには表示したくない場合は、セクションのプロパティシートで「新しいページ」の設定や、表示条件を工夫することで対応できます。
詳細
役割
詳細セクションはレコードソース(テーブルまたはクエリ)の1レコードにつき1回繰り返し印刷されます。データの明細行を表示するための中心的なセクションです。
配置するコントロールの例
- 各フィールドに対応するテキストボックス:コントロールソースに
=[フィールド名]を設定して値を表示 - フィールドリストペインからフィールドをドラッグすると、テキストボックスとラベルが自動的に配置されます
高さの調整
詳細セクションの高さが1行分より大きい場合、各レコードの印刷領域も同じ高さになります。明細行をコンパクトに印刷したい場合は、セクションバーの下端をドラッグして必要最小限の高さに縮めます。
ページフッター
役割
ページフッターはすべてのページの最下部に繰り返し印刷されます。ページ番号・印刷日時・注意書きなど、各ページに共通して表示したい情報を配置します。
ページ番号の配置方法
ページフッターにテキストボックスを配置し、コントロールソースに次の式を入力します。
| 表示形式 | コントロールソースの式 | 表示例 |
|---|---|---|
| ページ番号のみ | =[Page] |
3 |
| 全ページ数付き | =[Page] & " / " & [Pages] |
3 / 10 |
| 「第N頁」形式 | ="第" & [Page] & "頁" |
第3頁 |
[Page] は現在のページ番号、[Pages] はレポート全体のページ総数を返す特殊な式です。フィールド名ではなくレポートのプロパティ値を参照しているため、角括弧のみで書きます。
印刷日時の配置
コントロールソースに =Now() と入力すると現在の日時が表示されます。書式プロパティを yyyy/mm/dd hh:nn に設定すると「2024/04/01 09:30」のような形式になります。
レポートフッター
役割
レポートフッターはレポートの最終ページの末尾に1回だけ印刷されます。総合計・総件数・署名欄など、レポート全体を締めくくる情報を配置します。
配置するコントロールの例
レポートフッターに演算コントロールを配置すると、全レコードを対象とした集計値が表示されます。
| 目的 | コントロールソースの式 |
|---|---|
| 全レコードの合計 | =Sum([売上金額]) |
| 全レコードの件数 | =Count([注文番号]) |
| 全レコードの平均 | =Avg([売上金額]) |
| 最大値 | =Max([売上金額]) |
これらの式をグループフッターに配置するとグループ内の小計になり、レポートフッターに配置するとレポート全体の総計になります。同じ式でも配置するセクションによって集計範囲が変わる点が重要です。
セクションのプロパティを設定する
各セクションにはプロパティシートで細かい動作を設定できます。セクションバーをクリックして選択状態にし、F4キーでプロパティシートを開きます。
よく使うセクションプロパティ
| プロパティ名 | 用途 | よく使う設定値 |
|---|---|---|
| 高さ | セクションの縦方向のサイズ | 数値(cm単位)を直接入力、または下端をドラッグ |
| 背景色 | セクション全体の塗りつぶし色 | 白(#FFFFFF)または薄いグレー(帳票の視認性向上) |
| 表示 | 印刷・プレビューでの表示有無 | 「はい」または「いいえ」 |
| 改ページ | このセクションの前後で改ページするか | 「なし」「カレントセクション前」「カレントセクション後」 |
| 印刷時サイズ調整 | 内容が空のときにセクションを縮小するか | 「はい」にするとデータなし行の余白を自動削除 |
| セクションを同一ページに印刷 | セクションを途中で改ページしないか | 「はい」にすると明細行が1ページ内に収まるように調整 |
グループセクションとの組み合わせ
「グループ化と並べ替え」(Sort&Group)でグループ化を設定すると、5つの基本セクションに加えてグループセクションが追加されます。グループセクションは次の2種類です。
- グループヘッダー:グループの最初に印刷。グループ名・見出しを配置します。
- グループフッター:グループの末尾に印刷。Sum・Count等のグループ小計を配置します。
グループセクションを含めた場合、セクションの印刷順序は次のようになります。
- レポートヘッダー(1回)
- ページヘッダー(各ページ)
- グループヘッダー(グループが変わるたび)
- 詳細(各レコード)
- グループフッター(グループが終わるたび)
- ページフッター(各ページ)
- レポートフッター(最終ページ末尾に1回)
実務パターン:標準的な集計帳票のセクション構成(想定例)
以下は「月次売上一覧表」を想定した場合のセクション構成の例です。
| セクション | 配置するコントロール(想定例) |
|---|---|
| レポートヘッダー | 「月次売上一覧表」ラベル(大)、作成日テキストボックス(=Date()) |
| ページヘッダー | 「日付」「顧客名」「商品名」「数量」「金額」のラベル(列見出し) |
| 詳細 | 受注日・顧客名・商品名・数量・金額の各テキストボックス |
| ページフッター | ページ番号テキストボックス(=[Page] & “/” & [Pages])、印刷日時(=Now()) |
| レポートフッター | 「総合計」ラベル、Sum([金額])テキストボックス、「総件数」ラベル、Count([注文番号])テキストボックス |
この構成で、1ページ目にはレポートタイトルと列見出しが表示され、2ページ目以降は列見出しだけが毎ページ繰り返し、最終ページの末尾に合計行が印刷されます。
よくあるつまずきポイント
- ページ番号が「#Error」になる:
=[Page]のように角括弧だけで書く必要があります。=Page()のように関数として書くと誤りです。 - レポートヘッダーが2ページ目以降にも表示される:ページヘッダーとの混同によくあるミスです。2ページ目以降に繰り返したい場合はページヘッダーに配置します。
- Sum()式が「#Error」になる:フィールド名を角括弧で囲んでいるか確認します。コントロールソースが
=Sum(売上金額)のように角括弧なしだとエラーになります。正しくは=Sum([売上金額])。 - レポートフッターが表示されない:セクションバーを右クリックし「レポートヘッダー/フッター」がチェックされているか確認します。非表示設定になっている場合は高さが0になっているため、セクションバーの下端をドラッグして高さを広げます。
- 詳細セクションが大きすぎて1ページに少ししか入らない:詳細セクションの高さを最小限に縮めます。セクション内の各コントロールの下に余分な空白がないか確認し、コントロールを上に詰めてからセクション下端を引き上げます。
- 列見出しが1ページ目にしか表示されない:列見出しラベルをページヘッダーではなく詳細に配置しているケースです。全ページに繰り返したい見出しはページヘッダーに移動します。

MOS Access 365(MO-500)試験との関連
レポートの作成・変更はMOS Access 365(MO-500)の出題範囲に含まれます。各セクションへのコントロール配置、プロパティシートでのセクション設定、ページ番号や集計式の入力は実際に手を動かして体得しておくことが重要です。分野別の出題数・配点は公表されていません。
試験時間は50分、採点は1000点満点で実施されます。合格点の公式値は非公開で、550点~850点が目安とされています。合格率は公表されていません。
受験料は税込で一般価格と学割価格の2種があります。最新の受験料は公式サイトの「受験料・価格」(https://mos.odyssey-com.co.jp/exam/examfee.html)でご確認ください。
全国一斉試験の申込締切は試験日のおよそ1か月前です(回により異なるため公式サイトの試験日程でご確認ください)。
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